意外と知らない「花粉症」の原因と最新対策 「眠くならない薬」の選び方、知ってますか?

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しかし近年では、鼻には効くが脳内に薬の成分が行かないような改良をされています。このため、アレグラやクラリチンなど「第2世代抗ヒスタミン薬」と呼ばれるグループの薬は、眠気の心配も少なく、安心して使用することができます。

とはいえ、花粉症の重症度によって、すべての人に抗ヒスタミン薬が効くわけではありません。市販薬で効果がない場合は、一度耳鼻科医師の診察を受けて自分に合った薬を処方してもらうことが大切です。

なお、妊娠中の方はとくに薬に気を使っているかと思いますが、妊婦でも使える花粉症の薬は意外とあります。ただし、インターネットなどで使用OKと書かれていても必ず医師の許可をもらってから使用しましょう。内服薬が不安な方は、点眼薬や点鼻薬にすると副作用が少ないためより安心です。

「花粉症を治す」舌下免疫療法

また、興味深いことに、近年では「花粉症を治す」治療が広まりつつあります。これは舌下免疫療法と呼ばれ、アレルギーの原因物質を少しずつ投与することで身体の免疫を慣らし、アレルギー反応を抑えるという治療です。

注射によって同様の治療を行う皮下免疫療法もありますが、舌下免疫療法は自宅で舌の裏に治療薬を貼り付ける方法なので、通院の回数が少ないことがメリットです。デメリットは、この治療法には即効性がなく、効果が出るまでに3~5年かかる場合もある点です。

ただ一生花粉症と付き合っていくことを考えれば、数年頑張って治療する選択肢も十分にアリだと思います。スギ花粉に対する舌下免疫療法は、飛散以外の時期(6~12月頃)に保険診療で行うことができるため、来シーズン以降に向けて検討してみてはいかがでしょうか。

毎年のことでつらい花粉症ですが、季節のおでかけを楽しむためにも予防や治療を正しく知り、上手に付き合っていきましょう。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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