常に受け身な「ロボット社員」変えた意外な一言 覚えておきたい「指示待ち人間」の動かし方

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ロボットのように「受け身な社員」を動かす一言とは?(写真:Elnur / PIXTA)
一度聞いたことを、その後も何度も何度も尋ねてくる部下。このような自分の頭で考えず、「常に上司の判断をあおぐロボット社員」にはどう対応するのが適切なのでしょう? ビジネスコンサルタントの大塚寿氏の新書『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30』から一部抜粋・再構成してお届けします。

で右も左も分からない部下・後輩が、「なんでも聞いてくる」のは歓迎すべきことですし、会社によっては育成期間の新人に「1日5つの質問」を義務づけている例すらあります。義務づけしてしまえば、「忙しくしている先輩に聞きづらい」という状況を、ある程度防ぐことができるからです。

しかし、ここで問題にしたいのは「自分で考えず」の部分です。特に、物心ついた時代からスマホが手元にあって、検索するだけで知りたい情報が簡単に手に入る時代に育った部下や若手社員には、「自分の頭で考える」ことに慣れていない人も散見されます。

これは今に始まったことではありませんし、30代、40代になっても「自分の頭で考えない」人もいますが、未来のある部下には「自分の頭で考える」ことを常識として持っておいて欲しいわけです。

同じことを何度も聞く部下

もっというと、昨今の現象として、自分で調べれば分かること、自分で考えて欲しいことを、繰り返し何度も聞いてくる部下や後輩が増えていると指摘されています。問題は同じようなこと、前にしっかり指導したり説明したことを、再び、初めてのことのように聞いてくるということです。

例えば、IT業界に勤務する7年目のAさんは、指導している部下のBさんに、議事録の書き方や単体テストの手順を繰り返し見本を示しながら説明し、やらせてみせてフォローを繰り返しました。

ある日、一人でできるようになったかと思い、任せようとしたら「これってどうすればいいですか?」と聞かれて困惑してしまいました。

前に同じことを説明したり、見本を示して解説していて、しかもBさんはそのメモを取っていたはずです。

メモを読み返すなり前にやったものを見返すなり、振り返れば分かるはずなのに、自分で考えたり調べたりする前に、「まずは聞いてくる」Bさんにどう対処すればいいのか、Aさんは迷ってしまいました。

昭和の時代であれば、「同じことを何度も聞いてくるなよ」とストレートに指摘する先輩も少なくありませんでしたが、現在、そんな言い方をしたら部下は萎縮してしまいますし、効果も限定的です。

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