人のポテンシャルが好き
三宅:メーカーがソリューションを売りにしたいというとき、必ず引っ掛かるのが、そういう「おんぶに抱っこ構造」ですが、それは最初からありえないという憲法みたいなものを作ったわけですね。このコンセプトで実際にうまくいき始めた例などありますか。
市村:たとえば、とある大手自動車製造会社や製薬会社ではグローバルでコニカミノルタがマネージすることになりましたが、このようなグローバルメジャーアカウントでは、従来のようにプロダクトだけではなく、いろいろなサービスを組み合わせていく形をとれるようになっています。また、コーポレートのリプロダクションデパートメントのアウトソーシング契約を獲得できるようにもなっています。数字としても、2013年度は全四半期、昨年度実績を超過しました。
チャレンジングでしたが、現場が自分で認知して動けるようになり、現場力は高まりましたね。今では個人での営業ではなく、チームセリングもできるようになっています。2014年度は、この取り組みをさらに加速して、より具体的に、より鮮明に、サービスを落とし込んでいきたいと思っています。
三宅:先ほどおっしゃっていた、「自分で認知したら、自分で動く」ということが、功を奏しているのでしょうね。
部下の方から聞くところによると、市村さんと話していると、最初は市村さんが話しているのに、いつの間にかこちらが張り切って説明していて、気がついたら自分がやることになっているそうです(笑)。そういうとき心掛けていることは何ですか?
市村:私、人のポテンシャルが好きなんですよ。才能とか能力よりも、潜在的な力が好きです。みんな、ものすごくポテンシャルがあると思います。
だから一人ひとりと「こういうビジネスをやろう」とか「こういう活動をやろう」と話をしていたら、「これ、できるよね」っていう目標設定ができるはずですね。それが具体的になっていれば、その人はすぐ動けるじゃないですか。だから私はいつも「一旗揚げようぜ」と言っていて、一年前から「Raise a flag」という言葉をみんなのキャッチフレーズにしています。これは自分たちのチーム、それからメンバー一人ひとりが、私はこれをやると宣言することにつながります。宣言すると「自分がやらないと」と思うようになって、動きが出てきますよね。やはり、何をするかが明確になると動けるようになると思っています。
三宅:「人のポテンシャルが好き」とは、すてきな言葉ですね。これもいただきです(笑)。そして「宣言」でポテンシャルを引き出すのですね。そのほかで現場の方は、「社内じゃなくて、外部との議論がやたら増えた」、それから「おカネをどんどん使うようになった」ともおっしゃってました(笑)。これも何か意識されていますか。
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