※前編:「外様」目線でコニカミノルタ改革に挑む男 はこちら
社長賞をとったけど、「話が違う!」
三宅:前回ご紹介したとおり、市村さんは前職のNEC時代、役割においても地域においても、実に幅広い活躍をされています。こんな人材は、最近、なかなかいないのではないですか?
市村:確かに大企業では珍しいかもしれませんが、当時もいなくはなかったし、ベンチャーではざらにいますよね。ベンチャーといえば、私は30代の頃、NECの中で、新事業としてある種のソフトウエア会社を提案して、社長賞をもらったことがありました。
社長賞を取ったら、会社から最大1億円の資本金をもらってその会社をつくって独立していいというコンテストだったので、すっかりその気になっていたら、当時の社長から「市村君、悪いけど、これは社内で事業部をつくるからね」と言われました。話が違うと思ったけれど、私は主任で相手は社長でしたから、もう何も言えない(笑)。ベンチャーの社長になり損ねました。
三宅:それはショックですね(笑)。でも、NECから見たら、事業部をつくるほうが金額的にははるかに大きな話ですよね。1億円どころじゃない投資になるでしょう。
市村:まあそうですが、個人的には萎えましたね(笑)。その事業部の事業部長候補や部長候補の人たちに、自分の計画を全部説明して、こうやるんですよって話しました。
三宅:その事業部は、うまくいったのですか?
市村:いきましたね。今もちゃんとその延長線上の事業部があり、何百億円規模のビジネスをしています。
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