こうしたメニューによる好不調の濃淡は、どういったことが要因となって生じているのでしょうか。その1つの答えは、「昼食時に子どもがいるかどうか」にあるように思えます。
食卓への参加率を見てみましょう。
コロナ前半(3~5月)については2019年が家族4人当たり2.5人だったのが、2020年は0.5人増えて3.1人となっています。一方、コロナ後半(6~12月)は前年からほぼ横ばいで推移しました。すなわち、コロナ前半は「昼食の内食が増え、昼食を囲む人数も増えた」、コロナ後半は「昼食の内食が増えたが、昼食を囲む人数は前年並み」という実態です。
コロナ前半は子どもたちが休校により家にいる状態が続いたため、昼食を囲む人の数が前年よりかなり多くなったと分析できます。
子どもの好みを考える必要があった
昼食のメニューに話を戻すと、コロナ前半にカレーライスやチャーハン、洋風ライスが伸びたのは、これまでは「昼食は(主婦が)自分だけだから、昨日のおかずの残りと作り置きの常備菜で済ませればいい」と思っていたのが、子どもたちが家にいるとなるとそういうわけにはいかなくなったということだろうと推測できます。
子どもの好みを考える必要が出てきますし、そもそも残り物だけでは足りないこともあるでしょう。だからといって、準備にそれほど時間をかけている余裕もありません。そこで、「子どもが好き」「おかずがなくてもお腹いっぱい食べられる」「ワンプレート主食」といったキーワードが見えてきます。
チャーハンやスパゲッティなどのメニューは手作りに限らず、さまざまな加工度のもの(冷凍、チルド、惣菜など)が市販されていることから、その時々の状況に合わせた選択がしやすいというもひとつのポイントかもしれません。
一方、コロナ後半でご飯に回帰してきたのは、学校が再開して昼食時に子どもがいなくなったことが要因として考えられます。「自分だけ」、あるいは「夫婦だけ」であれば、残り物のご飯やおかずで済ませられるということでしょう。ご飯が回復するにつれ、おかずとなる焼き魚や肉のソテーなどの主菜、おひたしなどの副菜が回復してきているのが、その裏付けになっているように見えます。
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