「ボケやツッコミ」がなくても面白い話できる訳 雑談で笑いを取るのに高度なテクニックは不要

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しかしもし、そのテクニックを「ホストが女性にモテるためにやっているテクニック!」として、水商売のお店に一度も足を踏み入れたことのない50代のおじさんが、子育てで大忙しの40代のシングルマザーに使おうとしたらどうなるでしょうか? 絶対におもしろい話が成立しないとは言いませんが、よくない方向に転ぶ可能性が高いのは明らかです。

ですから、こういった「女子にウケる◯◯トーク術」などが役に立つ人は、そこで語られているテクニックを、自分なりに加工できる人だけなのです。どうカスタマイズすべきなのかが直感的にわからない普通の人の場合は、努力しても、その方法では何の成果も得ることはない可能性が高いです。それどころか、スベってイヤな気持ちになったり、聞き手に小馬鹿にされたりするリスクも十分あります。

「話のうまい人」ほど参考にならないワケ

また、誰かの作った「ストーリーありき」のおもしろい話を、一部始終、落語のネタのように覚えることで、おもしろい話をしようとする人たちもいます。

例えば、社内でもトークスキルの高い人が、会社で起きた出来事を、おもしろおかしくお客さんに話していた、なんてこともあると思います。そういうとき、それをそばで見ていて、「ああやって話せば、おもしろい話ができるんだな」と真似て、そっくりそのまま自分のお客さんにも話してみようとする人もいるでしょう。

しかし、ほとんどの人は、そばで見ていただけのトークをそっくりそのままコピーすることはできません。だから、同じように話しているつもりでも、おもしろい話として成立しないことがあります。

人間には、生まれ持っての個人差があります。だから特に訓練していなくても、生まれつきトークスキルが高い人たちも一定数います。だから、「プロの芸人の話ではないのだから、自分も真似できるだろう」と思って、安易にそういう人たちがやっているトークをコピーしようとしても、うまくいかないことが多いのです。

その他、おもしろい話というと、「情報」に頼る人がいます。身近な人間関係の噂話から、エンタメやスポーツに関する世間の最新情報など、そういうことに人一倍詳しくて、「おもしろい話をするなぁ」と思われている人がいます。

私はこれを「報道系トーク」と呼んでいるのですが、さまざまな情報を仕入れることで「おもしろい」を作り出す方法は、とても便利です。本書では、この方法について詳しく書くスペースがありませんでしたが、自分の興味のあることでよいので、何かしら詳しい話題を持っておくのはいいことだと思います。

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