「ボケやツッコミ」がなくても面白い話できる訳 雑談で笑いを取るのに高度なテクニックは不要

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しかし、それはやはり、仕入れた情報に対して、「自分の心がどのように動いたのか」という感情をセットで相手に伝えないと、あまり意味がありません。なぜなら、それを聞いている人にとってその情報のみにしか価値がない場合には、話している人に対して興味を抱いてもらえないからです。

例えば、NHKの5分ぐらいの短いニュース番組のアナウンサーの名前をどれだけの人が言えるでしょうか? 顔は知っているけど、名前は知らないという人も多いはずです。一方、民放のワイドショーに近いようなニュース番組であれば、アナウンサーからコメンテーターまで、顔を見れば「○○さん」と、名字ぐらいは思い出せる人も多いと思います。

その理由は、放送時間の長短とか、そういう問題ではありません。NHKのニュース番組は、情報の質やスピードと、アナウンス技術に価値を見出した作りになっています。一方、民放ではそれよりも、「情報に対する個人の見解」などに価値を見出した作りになっています。この差が、その理由です。

情報ではなく自分自身に興味対象に

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だから、視聴者もNHKのニュースに対しては、情報の質や、アナウンサーの安定感があれば十分だと思っています。アナウンサー個人への関心度は、かなり低いと言えます。

そのため、「このNHKのアナウンサーは、このニュースに対してどんな感想をもっているのかな?」と民放のアナウンサーに対して思うような想像をすることはありません。

それどころか、いつも見ているNHKのニュースのアナウンサーが、急に差し替えられたとしても、ガッカリもしないどころか、気づかない視聴者すらいるでしょう。

普段、一生懸命ニュースなどをチェックして、おもしろい話題をまわりに教えてあげている人は、ネタの質ばかりにこだわってNHKのアナウンサーのようにならないようにしましょう。それは、日常生活で個人が目指すような価値提供ではありません。

普通の人の場合は、自分の感情を織り交ぜながら、自分自身に興味を持ってもらえるような形で情報提供をしてください。さもなければ、さらなる情報通が現れた瞬間、その人の価値は相対的に低くなってしまい、それまで「おもしろい」とチヤホヤされていたとしても、そのポジションが一晩でなくなってしまうかもしれません。

渡辺 龍太 放送作家、即興力養成講座講師

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わたなべ りょうた / Ryota Watanabe

幼少期から口数が極端に少ない性格だったが、アメリカ留学時に受けたインプロ(即興力)がきっかけとなり、以降日本人向けの即興力研究に注力。帰国後、NHKのディレクターに就任。番組出演者への即興力アップの指導も開始。現在は大手芸能事務所「浅井企画」のプロ芸人向けのアドリブ講座や公開講座でインプロ講師としても活躍中。

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