私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打ち《スタンダード&プアーズの業界展望》

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 今後数年、少子化の進行が鈍化する(18歳人口は120万人前後で今後数年、安定する見通し)ことが、唯一のプラス要因と考えることもできるが、そもそも私立大学の約4割が定員割れという供給過剰の状況下では、それもほとんど意味をなさない。

2009年は私立大学の46%(日本私立学校新興・共済事業団の集計校570校中)が入学定員割れで、募集停止を発表した大学が5校もあった。これまで長期間にわたって、少子化→大学過当競争→定員割れ、によって財務体力をむしばまれてきた私立大学法人では、一段と経営の厳しさが増すことになろう。


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 コスト削減による収支の改善については、大学は労働集約的産業の典型で、人件費が帰属収入の5割強を占めるという硬直的な費用構造であるだけに、抜本的なコスト削減に踏み切るのは難しい、とスタンダード&プアーズは考えている。

さらに、大学の乱立やゆとり教育の影響で、学生の学力低下が深刻化していることから、今後、教育の質を維持するコストが増大し、収支をさらに圧迫する可能性がある、とスタンダード&プアーズは考えている。

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