昼夜問わず「スマホを使い続ける生活」の大弊害 なぜ「メンタル不調に悩む日本人」が激増したか
2019年末、中国・武漢市に端を発したといわれる新型コロナウイルス感染症(COVID–19)の爆発的流行は、またたく間に世界各国に広がり、世界的大流行(パンデミック)を引き起こしました。私がこの文章を書いている2020年末現在も、まだ終息の見通しがついていません。そして、この新型コロナの蔓延は私たちの生活を根底から変えてしまいました。
2020年春に政府から出された緊急事態宣言は、海外のような厳しいロックダウンの措置こそありませんでしたが、不急不要の外出や都道府県境を越える移動の自粛を求められて、商店や飲食店は休業または営業時間短縮を余儀なくされました。手洗いやマスクの着用が呼びかけられ、企業においても、可能な限りネットを利用して自宅で仕事をする、いわゆるリモートワークをおこなうところが増えていきました。
増える「コロナうつ」「コロナストレス」
こうした措置は時間の経過とともに緩和されたものの、新型コロナの流行が収まったわけではなく、まだまだもとの生活様式に戻るまでには時間がかかることでしょう。あるいは、二度と戻ることはないかもしれません。そんな状況のもと問題になっているのが、私たちのメンタルヘルスです。これまで心身ともに健康だった人が、うつうつとして沈み込んだり、家庭内暴力を起こしたりという話をよく耳にするようになりました。
新型コロナの蔓延によってストレスを受け、「コロナうつ」「コロナストレス」と呼ばれる症状に悩まされている人が増えているのです。つまり、新型コロナによって、ストレスに悩まされる人が増えているといってよいでしょう。
その原因は、大きく分けて2つあると考えられます。1つは、新型コロナそのものに対する不安です。誰しもがかかる可能性がある病気ですし、重症化すると苦しいだけでなく命にかかわる恐れもあります。特効薬もまだないことから、不安を抱くのは無理もないかもしれません。さらに間接的な影響として、コロナ禍による収入減や失業といった経済的な不安も見逃せません。
もう1つは、自粛生活における生活習慣の変化があります。ウイルスを避けようと自宅にひきこもった結果、運動や日に当たる時間が減ったり、他人と会話する機会が減ったりすることで、メンタルに不調が出てきたという人がかなり多いように見受けられるのです。
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