成功の肝は忍耐、渋沢栄一に学ぶ「頭の下げ方」 大河ドラマ時代考証者が語る5つのポイント

印刷
A
A
大河ドラマの主人公である渋沢栄一とはどんな人物だったのでしょうか(写真:Caito/PIXTA)
2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公である渋沢栄一の人物像に、いま再び注目が集まっています。2024年からは新1万円札の顔となる渋沢。渋沢栄一とは、どんな人物だったのか。渋沢史料館館長を務め、「青天を衝け」の時代考証を担当する井上潤氏に話を聞きました。

「資本主義」という言葉を使わなかった渋沢

――渋沢栄一が生まれたのは江戸時代末期の1840(天保11)年。すでに180年以上も前のことです。ずいぶん昔の話ですが、今また、渋沢への関心が高まっているようですね。

今年は渋沢が亡くなってからちょうど90年に当たります。もう歴史上の人物ですよね。しかし、単なるその歴史上の人物としてもてはやされるのではなく、今こそ必要な人物という視点で受け取られている部分が大きい気がします。

同時に、多くの人は、渋沢栄一が成し遂げた事績をおぼろげながらに見聞きしている程度で、それらがどのような意味を持つのかまでは詳細に知らないのでは。だからこそ今、追認しましょうという気運が高まっていると思います。

――今を生きる私たちが、渋沢栄一から学べるものとは何でしょうか。

講演などで渋沢についてお話をする機会をいただくと、私はしばしば5つの側面から渋沢を取り上げます。そこから学び取れるものがあると思うので、順に紹介していきましょう。

まず1つ目は、やはり渋沢の著書である『論語と算盤』の世界ですね。論語と算盤というのは、道徳と経済と言い換えてもいいのかもしれません。

資本主義社会の中では、企業や個人の利益を最優先にするという考え方が中心ですよね。でも渋沢は、いつでも第一に公益を大事にしました。そもそも彼は「資本主義」という言葉をほとんど使わず、「合本法」と言っていましたからね。「合本法」とは、公益を追求するために、適した人材と資本を集めて事業を推進させるという考え方で、社会における公益に軸を置いたのです。

次ページ「道徳経済合一説」を説いた
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
トヨタ国内販売幹部が交代、増える受注残に危機感
トヨタ国内販売幹部が交代、増える受注残に危機感
スズキ「納車6ヶ月待ち」国内販売の深刻な事態
スズキ「納車6ヶ月待ち」国内販売の深刻な事態
ウマ娘ヒットの裏で「スマホゲーム」が深める苦境
ウマ娘ヒットの裏で「スマホゲーム」が深める苦境
ニトリ、家具の王者が「家電攻略」に動き出す必然
ニトリ、家具の王者が「家電攻略」に動き出す必然
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT