やっぱり今のアメリカの株価は「ヤバイデン」だ

バブルかどうかを見極める重要指標を覚えよう

ところでこの間、アメリカの財政赤字はどうなっているのか。2月11日にCBO(議会予算局)がベースライン見通し を公表しているのでチェックしてみよう。2020年度予算(2019年10月~2020年9月)の実績は、大型コロナ対策を連発したことにより、歳入が3.42兆ドル、歳出が6.55兆ドル、締めて3.13兆ドルの赤字となった。これによってアメリカの累積赤字は21.0兆ドルとなり、対GDP比ぴったり100%となった。

現在の2021年度予算(2020年10月~2021年9月)はどうかというと、昨年末に9000億ドルの景気対策を行ったこともあり、歳入が3.51兆ドル、歳出5.76兆ドルで赤字は2.26兆ドルとなる見込みである。ここへさらに1.9兆ドルの追加経済対策を打とうというのだから、「ちょっと金額が大きすぎるのでは?」という気がしてくる。

しかるに民主党内部では「足りなくて後悔するくらいなら、多すぎて後悔するほうがいい」という声が圧倒的だ。ひとつにはバラク・オバマ政権時代に、リーマンショック後の景気刺激策7870億ドルの規模が足りなかった(共和党に遠慮しすぎて、弱者に行き届かなかった!)という反省があるからだろう。

「まだはもうなり」の瞬間がやってくる?

しかし金融市場の反応は、そういう政治的配慮とは別物だ。長期金利はじわっと上がっているし、それ以上にわからないのが物価の動きである。「インフレなんて来るわけない」のが大方の見方だが、コロナ禍で供給面にはいろんなボトルネックが生じている。

原油価格が1バレル=60ドルを超えているのも不気味なところだ。そして昨年3月以降は、物価がマイナスで推移したので、前年比でみた消費者物価上昇率はこれから2%を超えてくる見込みである。

「いやいや、たとえ物価が上昇しても、アメリカの連銀は金融緩和を維持するだろう」――そこは筆者も同意するところで、コロナ禍の金融政策においては物価安定よりも雇用回復を重視すべきであろう。この点について、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長とジャネット・イエレン財務長官の意見は一致していると見る。

ただし問題はその先だ。1.9兆ドルの追加予算は3月中旬には成立するだろう。その前後から、次の2022年度(2021年10月~2022年9月)本予算の審議が始まる。バイデン大統領が議会合同演説(例年でいう一般教書演説)を行い、予算教書が発表される。

ここで民主党はインフラ投資、気候変動対策などの大型公約を盛り込んでくる。なおかつ、その財源となるはずの富裕層や法人向けの増税は見送られるだろう。というか、さすがに今の議会情勢では実現しないだろう。つまり財政赤字はさらに拡大を続けることになる。

「もうはまだなり」と言っているうちに「まだはもうなり」となる瞬間が来る。そうなったら「ヤバイデン」である。

アメリカ株のバブルが崩壊するとしたら、それがいちばんのリスクであろう。とりあえずは長期金利の動向に注目しなければならない(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページここからは競馬コーナー。2021年最初のG1の勝ち馬は?
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