真面目な話、ケネディの親父さんのようなファインプレーはそうあるものではないし、狙ってできるものでもない。そして投資の基本は長期投資であり、「人生100年時代」においては特にそうあるべきなので、少し調整するくらいでちょうどいい、というのはまことに理に適っている。「名人は天井売らず、底買わず」と相場格言にもあるではないか。
こう書くと「それではお前はどう考えているのか。今はバブルなのか、そうでないのか。そしてバブルだとしたら、弾けるのはいつ頃で、どこに注目すべきなのか」という突っ込みが来そうだ。古来、何度も繰り返されてきたこの問いに対し、筆者がご紹介したいのは「バフェットルール」である。
知っておきたい「バフェットの法則」とは?
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が目安にしていると言われるこの法則は、その国の株式時価総額を名目GDPと比較する、という単純なものである。以下のような等式で表され、指数が100前後であれば適正、それより低ければ株安、高ければ株高と見なす。
バフェット指数=株式時価総額÷名目GDP×100
最初にこの法則を知ったときは、時価総額というストックの数値をGDPというフローの数値で除するのは、なんだか理屈に合わないなあ、と感じたものである。しかし相場を測るモノサシとして使ってきて、この指数の信頼性は高いと感じている。「バフェット指数」(日本版)という便利なサイト があるので、長年のトレンドをご確認あれ。
この原稿を執筆している時点(2月18日)での日本株のバフェット指数は、137.0と歴史的な高水準にある。1989年12月末の日経平均3万8915円の最高値のときは、このバフェット指数が実に145をつけていた。その近くまで上がっているので、山崎氏が言う「黄色信号」はほぼ間違いないところだ。
このバフェット指数を軸に、日本株の歴史を振り返ってみるのも一興であろう。1990年のバブル崩壊後、株価は真っ逆さまに下落して100を大きく割り込む時代が続く。ようやく100を超えたのは小泉純一郎政権時代の2005年後半であり、その直後に「ライブドアショック」が起きている。そして2007年からバフェット指数は再び100を割り込み、リーマンショックの前後は再び試練の時期が続く。
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