イギリス「ワクチン開始2カ月」でわかったこと 医療従事者が見た現場や接種者の混乱と喜び

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ワクチン当日、予約の時間よりも5分くらい早めに行ったが、受付で並ばされた。ID確認をしてQRコードを見せ、この時に2回目の接種の予約も入れてもらった。

受付が終わると待合室に案内をされたが、これが非常に面白い。待合室1で待っていると、職員から声がかかり、廊下を横切って同じ階にある別の待合室2に進む。そして最終的にはワクチン接種をする部屋の外にあるベンチで待つように言われた。

まるでスゴロクであがりを目指す感覚だ。人が密になることを避けるためだが、建物の構造によっていろいろな方法が取られている。筆者の勤務先では巨大な外来スペースを使ったために、個室が十分にある。

翌日の朝は腕を上げられず

実際の注射も個室で看護師と1対1で行われた。ID、アレルギー、服用薬、当日の体調を口頭で確認される。予約をした時に同意にチェックをしているわけだが、ワクチンを実際に注射する看護師が口頭でも必ず副反応とその対処法、万が一体調が悪化したり、心配事があった場合の連絡先を説明する。また、同じ説明が書かれているリーフレットもその場でもらう。

ワクチン接種が終わった後は別の部屋で15分ほど経過観察。と言っても筆者の場合を含めて全員が病院職員のため、特に見張りや問診もなく、15分経過したら自己判断で帰宅が許される。一般患者の場合、例えば診療所などではこの場所を確保するために、敷地内の庭にテントを設営してそこで15分の経過観察をするところもある。

筆者の副反応は、ワクチン当日は問題はなし。翌日の朝はワクチン接種をした腕がかなり痛く、肩より上には上げられなかった。体調は軽い二日酔いのような、少し頭が重く感じられたが、それ以外の大きな問題は感じられずに通常出勤をした。車通勤のために、ハンドルを切ることが辛く感じた。

昼以降に頭痛をハッキリと感じ出したが、仕事が16時上がりだったので続行した。ちょうどワクチン接種24時間を経過した17時頃には頭痛、悪寒、倦怠感に襲われた。これは事前に説明をされていた通りで、もらったリーフレットにも書かれていた内容通りだ。

勤務から帰宅後はすぐに横になったが、頭痛はますます酷くなった。そこで説明されている対処方にしたがい、アセトアミノフェンの鎮痛剤を服用してまた横になった。

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