ビル・ゲイツが熱弁「原発に希望を託す」理由 極秘会見で明かした気候変動への考えと解決法

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菅首相との会話は気候変動も含めて多岐に渡ったが、ほとんどは公衆衛生に関することだ。日本が2050年に脱炭素を図るという目標をもちろん支持するし、それは世界の目標でもあるべきだ。アメリカなどに比べると、日本では大型かつ安定したエネルギー施設を建てることが難しいので、非常に勇気ある決断だと思う。

脱炭素社会を目指す中で、日本に期待するのはイノベーションに貢献することだ。トヨタなど自動車会社はEVだけでなく、水素(を燃料とする燃料電池)自動車も開発しており、これは非常に価値の高いことだと思う。小型車分野では電気が主流だと思うが、大型車の分野では水素のアプローチのほうが向いているかもしれない。日本における研究開発も非常に重要だ。気候変動問題に関しては、日本が得意とする分野での貢献を期待している。

認識変えるには劇的に違うものが必要

――福島での原発事故などを踏まえると、日本で原発を推進するのは極めて難しい。首相はどう国民の理解を得るべきか。

第4世代の原子炉は建設費が従来の4分の1だが、アメリカは天然ガスが非常に安いので、炭素税を導入しない限り、競争は難しいだろう。一方で日本の天然ガスはアメリカの3倍高いので、第4世代はコストの面で競争の土壌に立てる。

ただし、世論が原発をどう受け止めるか、という問題もある。放射性廃棄物をどうするかという問題もあるが、テラパワーはこれについても解決方法を考えている。時期が来れば、NRCからの承認を受けて、世間から理解を得られるようにもなるだろう。

――ドイツや韓国は脱酸素を原発なしで成し遂げようとしているが。

気候変動は非常に重要な問題で、温暖化を食い止めるためにさまざまな可能性を探るべきだというのが私の意見だ。成熟国では過去10年間電力供給量を増やすことができなかったというのに、2050年に今の2.5倍の量の電力を、すべて自然エネルギーでまかなうことは果たして可能だろうか。多くの国にとって水力は最も大きなエネルギー資源だが、すでに有望な場所は開発され、これ以上スケールすることは難しい。

一方、原発もクリーンエネルギーではあるが、多くの国で賛否両論がある。だが、第4世代は、加圧や人がボタンを押す必要性がなく、物理的な構造から一定以上の温度にもならない設計だ。この原子炉がうまくいけば、人々も受け入れやすくなるかもしれないが、世間の原発に対する認識を変えるには劇的に違うものを出さなければいけない。5年後にはそうしたものがお見せできるようにしたい。

――バイデン新政権には、気候変動やパンデミックについてどう働きかけていくのか。

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