ビル・ゲイツが熱弁「原発に希望を託す」理由 極秘会見で明かした気候変動への考えと解決法

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――今回のパンデミックや気候変動、温暖化についても「陰謀論」が出てきて、ゲイツさんご自身もそのターゲットになっている。気候変動において「ファクト」を信じてもらうには。

世の中にいろいろな陰謀論があって、今回のパンデミックで自分がそのターゲットになるとは思っていなかった。これによってマスクを着用しない人が増えたり、ワクチンを受けない人が増えたりするのは本当に残念なことだ。理想論で言えば8割の人がワクチンを受けないかぎり、われわれが望むような集団免疫を得るのは難しいのではないだろうか。

ジェームス・ボンドの映画みたいに誰かが裏で何か工作している、といった陰謀が横行しないためには、事実をどれだけ興味深く伝えられるかが重要になる。ソーシャルメディアで出回っている陰謀論が人々の心をつかむことに対して、私たちはナイーブすぎる。企業や国レベルで陰謀論をコントロールすることが必要なのではないか。

より経済的、クリーンな方法を探す

――各国政府や企業が、資本主義に基づいたリニア思考から脱し、利害関係者だけでなく、環境に配慮したモノ作りなどに振り向けるにはどうしたらいいか。

リニア思考から完全に脱するのは難しい。となると、問題は新たなエネルギーを活用するのと、例えば地下資源を掘り出すのとどちらか経済的か、ということになるのではないか。今あるエネルギーを作るところから消費するところまですべてクリーンなプロセスでできるのなら、その中から最も経済的な方法を選べばいいと思う。

『How To Avoid A Climate Disaster』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

製造プロセスなどを見直す方法もあるだろう。例えば、製鉄では多量のCO2が排出されるので、「グリーン鉄」を作る方法を考えたほうがいい。リサイクルはその方法の1つだろうし、ビル建設においてどれだけ使う鉄鋼の量を減らせるかデザインするソフトの開発も1つだろう。いずれにしても、グリーンプレミアムを減らせる方法を探すべきだ。

今回の私の本から学べることがあるとすれば、問題は複雑で解決するのは容易ではないが、解決するのは不可能ではない、ということだ。

――気候変動による自然災害を減らす有効な技術はあるか。

技術に関して言うと、私が著書の中で述べているポイントは「肉、土地利用、航空燃料など、非常に多くの要素があるので、1つではなく12のブレイクスルーが必要だ」ということだ。その中で、注目している技術を1つ挙げるなら、非常に安価で信頼性も高いグリーン電力に加え、非常に安価なグリーン水素が実現できれば、製鉄や肥料の製造といった産業プロセスにおけるさまざまな問題が解決できるのではないかと思う。

世界は今、コロナウイルスによるパンデミックに直面しており、これにより大きな経済的被害や経済死も発生している。足元ではこれは気候変動より深刻な問題だ。しかし、これにはワクチンという解決策がある。

一方で気候変動は対処や解決方法が見つかっておらず、このまま放置すればパンデミックより多くの人が気候変動で亡くなる可能性が出てくる。今回のパンデミックでは世界が協力しあえることがわかったが、気候変動に関しても各国間の協力が必須だ。自国だけ頑張っても、天候に国境はないのだから。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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