主演俳優で振り返る「NHK大河ドラマ」の歴史 今年で60作目、最多主演4回を誇る名優とは?

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その後、主役への若手俳優抜擢は、大河ドラマのお家芸になっていく。『源義経』(1966年放送)の尾上菊之助(現・尾上菊五郎)、『竜馬がゆく』(1968年放送)の北大路欣也、『天と地と』(1969年放送)の石坂浩二に始まり、『独眼竜政宗』(1987年放送)の渡辺謙、『武田信玄』(1988年放送)の中井貴一らを経て、2000年代以降も『武蔵 MUSASHI』(2003年放送)の市川新之助(現・市川海老蔵)、『天地人』(2009年放送)の妻夫木聡、『平清盛』(2012年放送)の松山ケンイチなどへと続いた。今期の『青天を衝け』の吉沢亮もまだ20代、しかも初の平成生まれの主役である。

この顔ぶれを見ても、大河ドラマが本格派へと脱皮するための若手俳優の登竜門的役割を果たしてきたことがわかるだろう。なかには、緒形拳(『峠の群像』)、石坂浩二(『元禄太平記』『草燃える』)、渡辺謙(『炎立つ』)のように再び主演を務めたケースもある。また渡辺謙などにとっては、後に映画『ラスト サムライ』(2003年公開)で海外進出を果たす原点にもなったと言えるだろう。

「ジャニーズ」大河主演の歴史

ジャニーズの主役起用も、大きくはそうした若手抜擢の流れのなかにあった。ジャニーズの大河出演は1970年代の郷ひろみにまでさかのぼるが、初出演にして主役を務めたのが、『琉球の風 DRAGON SPIRIT』(1993年放送)の東山紀之だった。

そこからジャニーズの大河出演はぐんと増えた。

『炎立つ』(1993年放送)には稲垣吾郎、『花の乱』(1994年放送)には松岡昌宏、『八代将軍吉宗』(1995年放送)には森田剛が出演。その後松岡は『秀吉』(1996年放送)と『武蔵 MUSASHI』、森田は『毛利元就』(1997年放送)と『平清盛』にも出演した。

1990年代は、SMAPをはじめジャニーズアイドルが音楽以外に活動の場を大きく広げた時期である。ジャニーズのドラマ出演はそれ以前からあった。だが、その範囲が恋愛ものや青春ものだけでなく、別のジャンルにまで広がったことがこの大河ドラマへの出演増加に表れている。

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