ソニー、PS5や鬼滅で絶好調でも残るハードル

時価総額はトヨタ、ソフトバンクGに次ぐ3位に

ソニーは祖業であるエレキ事業が中心だった組織を改める。各事業の収益性を確保しつつシナジーをどう生み出すかが課題だ(記者撮影)

ソニーの勢いが止まらない――。

2月3日、同社が発表した2020年4~12月期決算(米国会計基準)は、売上高が6兆7789億円(前年同期比4.1%増)、営業利益が9053億円(同11.8%増)だった。保有する株式の値上がり益が約2000億円あったこともあり、純利益は1兆0647億円となった。

2021年1~3月期は季節的な要因でエレキ部門の収益が悪化するが、今通期でも純利益は1兆円超を確保する見通し。これは2019年3月期の9162億円を超えて過去最高だ。ソニーの業績を株式市場も好感し、決算発表翌日の株価は1万1650円(終値)と、前日比1015円高に。時価総額も14兆6913億円と、21年ぶりに過去最高を更新し、トヨタ自動車、ソフトバンクグループに次いで3位となった。

ゲーム部門が業績牽引

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、中国ファーウェイ向けのCMOSイメージセンサー販売が激減する半導体を除き、すべてのセグメントで増益を見込む。とくに、2020年11月に7年ぶりとなる新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」を発売したゲーム部門が大幅な増益となりそうだ。

品薄状態が続くプレイステーション5(写真:ソニーインタラクティブエンターテインメント)

新たなゲーム機の発売時は、多額の開発費や宣伝費が計上されるうえ、販売価格よりも製造コストのほうが高くなる「逆ザヤ」が発生する。発売後数年かけて製造コストを下げることでこれらを回収するのが一般的なビジネスモデルだ。PS5も同じように逆ザヤが発生しており、収益としてはマイナス要因だ。

だが、巣ごもり消費によるソフトウェアの販売増や、ネット対戦などができる定額制サービス「PSプラス」(月額850円など)の会員増がそれを補った。リカーリング(継続課金)と呼ばれ、事業の収益安定化につながるPSプラスの会員は20年末で4740万人。この1年で900万人弱増えた。PS5購入者の場合、87%がPSプラスに加入している。

需要の戻りが早かったエレキ部門や、スマホ向けイメージセンサーの販売減が想定より少なく済んだ半導体部門、映画『鬼滅の刃』などアニメ関連が好調だった音楽事業など、全事業で利益見通しを引き上げた。

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