森元首相、「蔑視発言」に菅政権が及び腰のわけ 「失言王」の発言を軽視、後任候補に元五輪相も

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しかし、会長辞任を促すその後の質問には「面白おかしくしたいから聞いてるんだろう」「だから謙虚に受け止めております。撤回させていただくと言ってるんです」と逆切れ。すかさず、司会が打ち切りを宣言し、会見はわずか21分間で終わった。

この間、ツイッターには「謝る気ない」「逆ギレの手本」などの投稿が相次ぎ、多くの外国メディアも「日本の組織委トップが女性差別発言」と速報した。

「会長辞任」を促す声が内外で相次ぐ

対応が注目されたIOCは、森氏の発言撤回・謝罪を受けて、「発言の謝罪をもって、問題が終わったと考えている」との声明を出した。しかし、カナダの女子アイスホッケー代表で金メダリストのIOC委員・ヘイリー・ウィッケンハイザー氏は「朝食会のビュッフェでこの男性を追い詰める。絶対に」と怒りのコメントを発した。

国内でも、元柔道世界王者である山口香JOC理事(女性スポーツ専門部会長)が「森会長が自ら外れていただければ、五輪はかすかに希望が残る」などと述べて辞任を促した。

さらに、森氏が名指しした日本ラグビー協会で、女性初の理事となった稲沢裕子・昭和女子大特命教授も「私が入ったことできっと(ラグビー協会の)会議は長引いたでしょう。でも、素人の立場から疑問や意見を言うために理事になった。競争があるから発言しているわけではない」と森発言を批判した。

こうした状況を踏まえ、組織委は7日、会長続投を前提に「五輪の精神に反する不適切なもので、会長自身も発言を撤回し、深くお詫びと反省の意を表明した」とする声明文を発表した。

そうした中、菅首相をはじめとして、政府・与党幹部の対応には及び腰が目立った。菅首相は衆院予算委での野党側の追及に対し、「森会長が謝罪をし、これでIOCは問題終了と考えているとの見解が表明をされたと承知している」と、問題の幕引きを図る姿勢を示した。

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