一方のために、他方が我慢して尽くす関係というのは危ういもので、どちらか一方の心境や環境の変化ですぐに崩れてしまうものです。大事な人の話なのに聞きたくないと思ったり、相手のことを嫌いになったりするかもしれません。
「友達のために」と一生懸命聞いてアドバイスを考えたのに、相手のためにならないどころか、友人関係がダメになってしまっては、悲しいですよね。
もう1つ、ここで知っておいていただきたいのが、アドバイスというのは、する側の「承認欲求」の表れでもあるということです。
承認欲求とは、「人から好かれたい」「すごい人だと思われたい」といった気持ちのことで、誰にでもあります。満たされれば幸福感やモチベーションにもつながる、大切な感情です。
ただ、この承認欲求は、人の話を聞いているときにもしばしば頭をもたげ、相手を評価したり、本来必要のないアドバイスをしたりする原因にもなります。
「相手が感動するような、すごいことを言いたい」「自分の知識や経験を示したい」という考えがもとになっているもので、結局は自己満足なのだということを理解しておきましょう。
アドバイスを求めているわけではない
では、アドバイスを求められたときは、どのようにしたらいいのでしょうか?
答えは簡単で、「ただ聞くだけ」です。相手の気持ちを、「あなたはそう感じているんだね」とそのまま受け止めてあげるだけでいいのです。
繰り返しになりますが、相談という形をとっていても、本当にアドバイスを求めているわけではありません。つらい感情を吐き出して楽になりたい、あるいは迷っている自分を後押しする言葉をかけてほしい、という場合がほとんどです。あなたにも、「心が苦しくてやりきれなくて、ただ聞いてほしかった」という経験があるのではないでしょうか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら