テック業界に女性が進もうとしない根本理由

「ジェンダー平等と教育」ベニオフに学ぶ本気度

日本におけるジェンダーギャップを埋めるには? セールスフォースの取り組みの中に解決するヒントがありました(写真:metamorworks/iStock) 
創業20年で従業員数5万人。世界最大級の顧客管理(CRM)ソフトウェア企業であり、GAFAに並ぶ巨大IT企業であるセールスフォース・ドットコム。
『Forbes JAPAN』誌「世界を変える30歳未満30人の日本人」に選出され、IT分野のジェンダーギャップを埋めることをミッションに活動する一般社団法人Waffle共同創業者の斎藤明日美氏は、セールスフォースのジェンダーギャップ是正の取り組みを「本気度が違う」と絶賛する。
同社のユニークな、成長と社会貢献を両立させるという企業文化を、創業者マーク・ベニオフ氏が生い立ちから企業理念、社会への思いからつづった『トレイルブレイザー 企業が本気で社会を変える10の思考』を、斎藤氏がジェンダーギャップ解決の視点から読み解く。

ベニオフ氏はジェンダー平等に本気

『トレイルブレイザー』を読んで、マーク・ベニオフさんは本当にすごい人だと感じた点がいくつもありました。

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印象に残るのは、まず、ジェンダーギャップに本気で取り組んでいる点です。私自身も深く関わっている問題ですが、企業におけるジェンダーの取り組みは、たいてい、人事の持つ情報などを眺めて「やらなければならないから、半分は女性を起用しましょう」「ハイ、起用したのでこれでいいですね」というように濁されがちです。

ところが、ベニオフさんは、従業員から男女の賃金ギャップがあると聞いて、監査を入れ、実際にどのようなギャップがあるかをご自身で調べたうえで、是正していきます。さらに、買収した企業にも同じように監査を入れて、逐一是正していくのです。大変なコストだと思いますが、取り組みへの本気度が違うと感じました。

それだけに終わらず、さらに「どれほど一生懸命取り組んだとしても、作業を完了したと結論づけてはいけない」とも書かれています。まさに、平等や差別は結論がある問題ではなく、つねに対話を続けなければならない「終わりがない」テーマ。本当に関心を持って粘り強く取り組まれていると思いました。

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