テック業界に女性が進もうとしない根本理由 「ジェンダー平等と教育」ベニオフに学ぶ本気度
ベニオフ氏はジェンダー平等に本気
『トレイルブレイザー』を読んで、マーク・ベニオフさんは本当にすごい人だと感じた点がいくつもありました。
印象に残るのは、まず、ジェンダーギャップに本気で取り組んでいる点です。私自身も深く関わっている問題ですが、企業におけるジェンダーの取り組みは、たいてい、人事の持つ情報などを眺めて「やらなければならないから、半分は女性を起用しましょう」「ハイ、起用したのでこれでいいですね」というように濁されがちです。
ところが、ベニオフさんは、従業員から男女の賃金ギャップがあると聞いて、監査を入れ、実際にどのようなギャップがあるかをご自身で調べたうえで、是正していきます。さらに、買収した企業にも同じように監査を入れて、逐一是正していくのです。大変なコストだと思いますが、取り組みへの本気度が違うと感じました。
それだけに終わらず、さらに「どれほど一生懸命取り組んだとしても、作業を完了したと結論づけてはいけない」とも書かれています。まさに、平等や差別は結論がある問題ではなく、つねに対話を続けなければならない「終わりがない」テーマ。本当に関心を持って粘り強く取り組まれていると思いました。
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