ワクチン接種で発症「アナフィラキシー」の正体

「接種後の待機」について具体的に議論すべきだ

アメリカ・ニューヨークで新型コロナワクチン接種後の患者に予防接種カードを提示する医療従事者(写真:ブルームバーグ)

新型コロナワクチンの接種で誰もが気になるのが、副反応だろう。いかなるワクチンでも有害事象・副反応はそれなりに起きる。ワクチンは異物を体に入れる行為である以上、何らかの反応は想定しておかねばならない。

その大前提を踏まえたうえで、新型コロナワクチンを特に「怖がる」べきか、判断する必要がある。前回記事(「新型コロナワクチン」本当はどの程度怖いのか)では慣れない筋肉注射による「血管迷走神経反射」について見解を述べたが、接種直後の重いアレルギー反応である「アナフィラキシー」についてより詳しく解説しようと思う。

アナフィラキシー経験者は接種しないほうがいい?

国内で最初に使用予定のファイザー製ワクチンでは、アナフィラキシー21例中、17人にはアレルギーの既往があり、さらにそのうち7人はアナフィラキシーを過去に経験していた。狂犬病ワクチンや、新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの接種後に発症していた人もいた(CDC報告1月6日付より)。

であれば、アメリカ当局の勧告通り、アナフィラキシー経験者は接種を見送るべきだろう。単純計算で言えば、それだけでアナフィラキシーの発生率は3分の2に減少し、100万回に3人程度となるはずだ。

アナフィラキシーは、「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されている(日本アレルギー学会)。ひどい場合は、血圧低下や意識障害を伴う「アナフィラキシーショック」に陥る。

そもそも、体に侵入した異物を排除しようとする免疫システムの暴走が、アレルギーだ。躍起になって排除するほどの毒性はない物質でも、「アレルゲン」として過剰に反応し、その結果として炎症などさまざまな症状が引き起こされる。その最も激烈なものが、アナフィラキシーである。

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