零細企業ほどコロナで痛めつけられている惨状

大企業向けの需要喚起でなく直接支援が必要だ

ここでは、特に状況が深刻な宿泊と飲食サービス業を合計したものを見てみよう(図表2参照)。

この分野での売上減少率は45.0%であり、営業利益減少率は329.0%である。つまり、赤字になっている。

この分野の企業数は3.5%減少している。

人員減は19.1万人だ。法人企業全体での人員減(約100万人)の実に2割近くがここで生じているのだ。従業員数の減少率は、24.6%になる。

この部門は、売り上げでは、法人企業全体の309兆円の0.36%でしかないことを考えれば、いかに激しい減少かがわかる。

2020年7~9月期における1企業1カ月あたりでみると、売上高は1882万円、営業利益は-184万円だ。

雇われ続けている人についても、1人1カ月あたり従業員報酬は19.2万円であり、昨年に比べて5.7%下落している。

1人1カ月当たりの役員報酬は61.6万円で、前年に比べて9.1%下落している。

零細企業一般では1人あたり報酬はほとんど不変だと、上で述べた。

ところが、宿泊と飲食サービス業においては報酬をかなり減らしているのだ。

従業員報酬は月19.2万円というかなり低い水準であり、それがさらに減らされている。また役員報酬は、水準としてはかなり高いものの、減っている。

そうせざるをえないほど経営状況が悪化していることがわかる。

GoToは高級ホテルや高級レストランに偏りがち

宿泊業や飲食サービス業に対して行われているのは、GoToキャンペーン政策である。

現在は一時停止されているが、とりやめになったわけではない。

2020年度第3次補正予算には、追加分約1兆円が計上されている。

しかし、GoToキャンペーンは消費者に補助を与えて需要を喚起する政策なので、売り上げが増えるのは、高級ホテルや高級レストランに偏りがちだ。

つまり、零細企業よりはむしろ大企業に対する補助になっている。

次ページ需要喚起策でなく、零細企業に焦点を合わせよ
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • フランスから日本を語る
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 財新
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT