2014年にBtoCのクラウドが完成する--『クラウド時代と〈クール革命〉』を書いた角川歴彦氏(角川グループホールディングス会長兼CEO)に聞く

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--クラウドを「21世紀の奇跡」とまで言って重視していますね。

うちは長い間、ムダなシステム投資をしてきたとさえいえてしまうのではないか。日本はシステム投資に会計と在庫から入っていった。これが失敗だった。アメリカは顧客のデータベースから入ったのでIT革命にもっていけた。

呉越同舟といえるが、業界で一つのデータセンターをつくって共有すればよい。いわば業界クラウド。出版界でもそうして合理化したらどうか。システム投資は限界に来ている。

--世界で5台に収斂とも……。

IBMの創業者だったワトソンは、コンピュータは5台しか売れないとジョークを飛ばしつつ、つくり始めた。そして、いよいよ分散化からインターネットによる統合化に向かう時代に入った。その5台というと、グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、そしてIBMか。日本の姿はない。ナショナリストとして、日本もあってほしいので、「東雲計画」を提唱している。

実は、日本でも1970年にこれからを予見した人がいる。ある人から『火の鳥』の第4巻を読み直したらと指摘された。その未来編には、世界は5台のコンピュータが5大陸に、とある。手塚治虫のインスピレーションはすごい。

--これからの優勝劣敗は何によって決まりますか。

クラウドに躊躇したところが脱落していく。クラウドに行こうとするなら、自分がいままで成功したものがいくら大きくても、それを捨てないといけない。

あるコンピュータ誌の人が、「この本は、たとえばNECと富士通が合併すればいいと言っているのか」と質問してきた。そのぐらいの大きな変化が来る。日本では通信のほうがアグレッシブだ。

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