「部下のメンタル不調」を見抜く3つのサイン 上司だけで問題を抱え込まない組織的対応策
- ①どうしていいかわからず、結局何もしない
- ②「根性」「気のゆるみ」など、精神論に置き換える
- ③「この程度でおかしくなるはずがない」など、自分の価値観で判断する
- ④「俺に任せとけ」と親身になりすぎる
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①は、様子の変化に気づきさえしないことも含め、最も多いケースです。医務室や産業医など、相談する先があっても利用しない、関わりたくない、関心がないなど、理由はさまざまです。
②は、バブル経済のころまでは当たり前だった価値観です。メンタルヘルス不全の存在すら認めず、人格的な「弱さ」だと決めつけます。戦前の教育の名残があるのかもしれません。
この風潮は、1991年の電通事件(社員の過労自殺に対して会社の責任が初めて認められた事件)をきっかけに、ようやくピリオドが打たれましたが、40代以上の世代では、まだまだ色濃く残っています。
「能力の高い」上司の注意点
③は、部下の立場に立って考えられていないということです。部下の心情、能力への配慮を欠きます。そうなる要因の1つに、上司の立場にいる人が競争に打ち勝ってきた、ある程度能力の高い人であるということがあります。
そういう人は、自身の能力を基準に見るので、パフォーマンスの落ちている部下を前にしても、なぜできないのかがよく理解できません。できて当たり前だと思うのです。その結果、「こんなこともできないのか」「このぐらいできるはずだ」など、個人的な価値基準で推しはかり、容赦なく断罪します。
④は、面倒見のよい上司にありがちです。相談に乗ったり仕事を減らしてあげたり、自分なりに親身になって一生懸命です。しかし、その方向性が独善的なため、往々にして意図しない方向に進みます。
このタイプの上司でよくあるのが、「俺がお前をよくしてやる」と部下を抱え込み、1対1の濃密な関係性を作り上げることです。その結果、部下の病状が秘匿され、関係部署との情報共有がなされません。
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