「部下のメンタル不調」を見抜く3つのサイン 上司だけで問題を抱え込まない組織的対応策
職場のメンタルヘルスケアは、まず事業者自らがその推進を表明することから始まります。企業は、事業場内に衛生委員会を設置し、労働者の健康障害の防止、健康の保持増進に関する検討を、次の5つの観点から行います。
次に、4つの項目を骨子とする「心の健康づくり計画」を策定します。
- ①心の健康問題の特性
- 心の問題は評価が容易ではなく、個人差が大きく、プロセスの把握が困難
- ②労働者の個人情報の保護への配慮
- 健康情報を含む労働者の個人情報の保護と意志の尊重への配慮
- ③人事労務管理との関係
- 労働者の心の健康と密接に関係している職場配置、人事異動等の人事労務管理との連携
- ④家庭・個人生活等の職場以外の問題
- 職場以外の要因への配慮
厚生労働省の指針では、中長期的な視野に立って、継続的かつ計画的に、実態に即して作ることが推奨されています。こうして策定された「心の健康づくり計画」が、その企業におけるメンタルヘルスケアの基本的なマニュアルになります。2015年12月より義務化されたストレスチェック制度の実施も、ここに含まれます。
メンタルヘルス「4つのケア」
では、具体的にどのような形のケアがなされるのでしょうか。それが、次の「4つのケア」です。
- ①セルフケア
- ②ラインによるケア
- ③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
- ④事業場外資源によるケア
(厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」メンタルヘルス指針 2006年3月策定)
「セルフケア」は、適応障害にかからないようにするための従業員個人によるセルフコントロールです。といっても、事業者側が何もしなくていいということではありせん。職員が不調をきたしたとき、早めに気づくことができるよう、教育研修や情報提供を積極的に行います。
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