「多忙な上司」の機嫌を損ねず時間をもらうコツ 自分都合はNG、所要時間と要件を最初に伝える
でも、想像してみてください。30秒は15秒のテレビCMに置き換えれば2本分です。仮に30秒のCMだと考えれば、商品名や商品の効能・魅力など相当な情報量を視聴者に伝えることが可能です。
つまり、あなたが問題を的確にとらえ、要点を整理することができていれば、わずかな時間であっても、簡潔にかつ的を射た説明ができるのです。
なおエレベーター・テストは、もともと核戦争などの重大な危機が発生した際、アメリカ大統領がエレベーターで地下の司令室に降りるまでの数分間を有効に使うための手法で、マッキンゼーがアメリカ政府に提案したものです。
たとえば、某国からアメリカ本土に向けてICBM(大陸間弾道ミサイル)が発射されたと仮定します。
すると、アメリカの偵察衛星がそれをとらえ、監視員は「ミサイルが発射された」と即座にペンタゴン(国防総省)に連絡を入れます。
それを聞いた情報スタッフは、統合幕僚会議議長がエレベーターに乗って1階に降りる間にその事実を報告し、その結果、どういうことが起きるか(状況判断)を述べ、次にどうするべきかという提案・意見を出さなければなりません。
整理すると、「事実報告」→「状況判断」→「提案」という流れになります。
2.状況判断|太平洋上で迎撃できなければ、国土の広範囲が破壊され、多くの国民が死傷する
3.提案(意見具申)|ただちに迎撃体制を整えるとともに、某国への攻撃行動を開始する
報告を受けた議長は、ただちにホワイトハウスの大統領と連絡をとり、同様の報告を行います。
大統領は、それを受けて、「ただちに迎撃ミサイルを発射し、太平洋上で撃ち落とせ」「到達が予想される地域の国民を核シェルターに避難させよ」「某国に対する核攻撃を開始せよ(核ボタンを押す)」といった命令をくだします。
地球上のどの位置から発射しても、ICBMがアメリカ本土に到達するのは数十分程度しか、かかりません。
発射後十数分で意思決定をしないとアメリカが地図から消えてしまいかねない。そうした国家の運命を背負う重圧下を想定したフレームワークですから、短時間でのブリーフィングには最適といえます。
この例は極端なものですが、エレベーター・テストは一般のビジネスパーソンにとっても大いに有益なフレームワークです。
なお、時間がないときは5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、何のために、どのように)や起承転結にこだわる必要はありません。
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