コロナ自粛で「無駄買い」しない人の賢い発想 昨年の自粛時をデータで冷静に振り返ってみる

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主にコーヒーや紅茶の福袋を買ったが、今年は即席麺やパスタソース、レトルトカレーの福袋も多く見かけた。むろん福袋シーズンは終わってしまったが、通常なら1月上旬から2月にかけて、お歳暮用のギフト処分セールがデパートで行われ、そういう会場に行くと安くまとめ買いができる。

ただし、現在の緊急事態宣言下では外出しにくい事情もあるだろう。手頃な価格でストック用にまとめ買いする手段としてお勧めなのは、期限切れ間近の商品を扱う販売サイトだ。

これは食品ロスを防ぐ観点からメーカーや業者から商品を買い取り、そのぶん、お手頃な価格で消費者が購入できる仕組みで、「Otameshi」や「KURADASHI」などのサイトがある。

さらに、購入代金に応じた金額が自動的に寄付されるため、支援団体を通じてコロナ禍で苦闘している医療分野や支援が必要な子供たちへも届けることができる(商品購入時にサイトが指定する支援先団体を選択)。通常のECサイトよりも購入量の単位が大きいのでまとめ買い用に向くし、同時に支援もできるので、今後も使っていこうと思う。

焦れば、自分たちに降りかかってくる

出口の見えないコロナとの戦いで、日本中が陰鬱な気分に覆われている。そんな中、トイレットペーパーのように生産量は十分あるのにSNSに流れてきた画像にあおられ客が売り場に殺到してしまえば、その後は転売屋の思うつぼだ。

品薄になったモノの価格は高騰するし、本当に必要な人の手に渡らない事態も起きてしまう。結局、困るのは私たち自身なのだ。

幸いなことに、今回は大規模な欠品が出ているとの話は聞こえてこない。前回の外出自粛や緊急事態宣言の経験をもとに、焦らずとも生活に必要な商品は必ず供給されるのだと認識し、落ち着いて過ごそうではないか。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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