コロナ自粛で「無駄買い」しない人の賢い発想 昨年の自粛時をデータで冷静に振り返ってみる

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とくに当時はあらゆるものがオンラインで注文されたため物流もパンクしていたうえ、コロナ対策でドライバーが動ける時間も限られていた。初めてのことで発注側も物流側も、そして消費者も混乱していた。

しかし、今回はスーパーやコンビニは通常どおり開いているとわかっているし、供給側も「コロナ体制」へのシフトが済んでいる。緊急事態と言われた前回よりは、供給側も消費者側も明らかに学習していると感じたのだ。

ところが、意外な話を聞いた。今回もトイレットペーパーの買いだめが起きた地区があるという。まさかと思ったが、SNSには空になった売り場の写真が上がっているではないか。

これには唖然とさせられた。前回も「空になった棚の写真」がネットに出回り、TV等でも盛んに取り上げたため、人々の不安をあおり、売り場に殺到させる事態を引き起こしたのだ。

次に何が起きたかというと、「商品価格の高騰」だ。トイレットペーパーもティッシュペーパーも店頭価格は通常の倍近い金額に跳ね上がり、主婦にため息をつかせることになった。さらにはネットを中心に法外な価格の転売も後を絶たなかった。まさに悪夢だ。

家にまだストックがあり、商品の供給も確実に行われますよという報道がされているのに、なぜか買いだめに走ってしまうという行動は、結果的に消費者自身の首を絞めることになる。自分自身のためにも冷静な目を持つべきだ。

トイレットペーパー騒動は実は短かった?

とは言っても「買えないのは不安」というのが正直な心理だろう。そこで、前回の緊急事態宣言下でどんなものが買われ、それが現状どうなっているかを調べてみた。あの時期に人が買いだめに走った品目が、そんなに買えないものだったのかを示すヒントになると思うからだ。

データとして使用したのは総務省統計局「家計調査報告」より2人以上の世帯の消費支出。通常の調査報告とは別に、2020年の3月から、新型コロナウイルスの感染拡大により消費行動に大きな影響が見られた主な品目を抜き出して発表している。

これを見ると休校や在宅勤務の影響を受けて、どんなものが通常より多く消費され、そして消費されなくなったかがわかる。この中から一斉休校の影響が出始めた昨年3月、緊急事態宣言が発出された4~5月、解除後の6月と現在公開されている最新データとなる11月の数字で、「突出して買われたもの」を見てみよう。

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