トップは、東京を中心にオフィスビルなどの賃貸事業を手がけるヒューリックで、平均年収は1760万円、有給休暇取得日数は15.7日。同社は2年連続でトップになっている。2位住友商事、3位野村総合研究所と続く。
年収1000万円以上の会社を業種別に見ると、食品・水産(6位サントリーホールディングス、11位キリンホールディングス、12位サントリー食品インターナショナル)が3社、商社・卸売(2位住友商事、5位双日)と建設(13位日鉄エンジニアリング、15位JFEエンジニアリング)が2社と多い。
ただ、1社の業種も不動産(1位ヒューリック)、シンクタンク(3位野村総合研究所)、機械(4位ファナック)、ガラス・土石(7位AGC)、医薬品(8位アステラス製薬)、信販・カード・リース他(9位オリックス)、電機・事務機器(10位ソニー)、化学(14位三井化学)、証券(16位大和証券グループ)、非鉄(17位住友金属鉱山)と、特定の業種が固まるのではなく、多彩な顔ぶれだ。
有給休暇取得率90%以上の企業は25社
一方、200位以内で有給休暇取得率が90%以上の会社は25社と前年より8社減っている。大手工作機械総合メーカーのDMG森精機(111位)、国内トップの自動車部品メーカーのデンソー(124位)、国立研究開発法人の産業技術総合研究所(36位)は、取得率が100%を超えている。これは、1年に付与される有給休暇20日をすべて取得し、さらに、これまで繰り越した有給休暇を取得しているためだ。また、自動車メーカーの三菱自動車工業(192位)が、有給休暇取得率100%を達成している。
業種別で見ると、自動車部品が7社(84位東海理化、89位トヨタ車体、107位豊田自動織機、124位デンソー、160位トヨタ自動車東日本、168位豊田合成、173位日本発条)、自動車が3社(99位本田技研工業、107位日産自動車、192位三菱自動車工業)、機械が3社(86位コマツ、91位ダイキン工業、111位DMG森精機)と、製造業が多いのが特徴だ。
コロナ禍でリモートワークが増え、仕事とプライベートの切り替えが難しくなったとの調査結果も出ている。有休休暇を活用し、仕事をいったんリセットすることがリフレッシュにつながる。
会社研究をする際は、有給休暇の付与日数ではなく、実際に有給休暇を取得した日数をチェックしてほしい。実際に有給休暇の付与日数を100%取得できるのは難しく、本ランキングでも4社しかないからだ。
また志望業種の有休取得平均日数も押さえておきたい。業種により有給休暇の取得日数はバラツキがあるため、ランキング入りせずとも業種別で上位に入る、有給休暇の取りやすい会社も見つかってくるはずだ。『就職四季報』では業種別平均を掲載しているので、うまく活用して休みが取れる働きやすい会社を見つけてほしい。
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