【産業天気図・鉄道・バス】客数が底入れし「曇り」に改善、ただ回復ペースは緩やか

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 上場大手私鉄13社の11年3月期は、南海電気鉄道<9044>が営業利益横ばい、京阪電気鉄道<9045>は営業減益の見通しだが、残る11社は営業増益を見込んでいる。

しかし、増益予想の会社にしても、営業利益が09年3月期の水準まで戻ると見ている会社はない。底を打って上向くものの、回復途上の1年になる。

大手私鉄の鉄道収入の傾向は、各社によりそれほど大きく異なることはない。ただ、京成電鉄<9009>は成田スカイアクセスの開業が7月に予定されており、成田空港の航空機発着数増加と合わせ、どれだけの上乗せ効果が出るか、注目される。

費用面では除却費の増減などが利益を大きく左右する。東京急行電鉄<9006>は除却費の減少が鉄道部門の業績改善を加速させる。

流通、ホテルなどの部門は、各社とも売上高が大幅に回復することは見込めない。人件費などコストをどれだけ絞り込めるかが、11年3月期の業績のカギとなりそうだ。
(安西 達也)

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