ノートPCでメモを取ると学習効率が下がる理由 脳トレーナーが教える「頭がよくなる」ノート術

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目的がはっきりしたら、積極的にノートを取る。必要な情報をピンポイントで聞き、後で思い出しやすい方法で書く。略語や短縮形を使うときは、なじみのあるものにすること。自分にも解読できないノートを書いてしまうことだけは避けたい。

先にも述べたが、ノートを取るときのやりがちなミスに、全部を書こうとすることがある。これには2つの明らかなデメリットがある。1つは、人間は話す速度で文字を書けないこと。平均的なアメリカ人は、1分間に10~12語を手書きし、同じく1分間に100語前後を話す。キーボードを使っても(すぐに説明するが、この方法はお勧めしない)話したことの半分ほどしか記録できない。

だがもう1つ、もっと根本的なデメリットがある。誰かの言葉をそのまま書いたら、その情報を自分のものにできないのだ。何しろ学習の最も貴重な瞬間に、脳の大部分を使って書き取りの作業をしているのだから。けれども自分の言葉でノートを取れば、情報をそしゃくし出すので、はるかに深く学習できる。

ノートPCでノートを取るな

また、書くことについて言えば、ノートは手書きをお勧めしたい。タブレット機器を(ノートを保存する目的で)使うなら、電子ペンで書こう。手書き文字をテキスト変換してくれる便利なアプリがある。ただしその場合にも、手で書くことは最も重要になる。情報をその場でそしゃくする力がつくし、そのほうが効果的であるとも証明されている。

「本研究が示しているのは、ノートパソコンは、ノートを取るだけのために使ったとしても、情報の取り込みが浅くなるので学習効果を損なう可能性があることだ」と、この問題を調査したパム・A・ミュラーとダニエル・M・オッペンハイマーは書いている。

「ノートパソコンでノートを取った学生は、手書きでノートを取った学生に比べて、概念理解に関する問題の正答率が低かった。つまり、ノートを取ること自体は有益だが、自分の言葉で要約せずに教師の言葉をそのまま打ち込んでいくパソコン利用者の傾向は、学習に弊害をもたらすのである」

そして何より、ノート力を上げるいちばんの秘訣は「真剣に聞くこと」だ。あなたは秘書としてそこにいるのではない。後で使う情報を受け取るためにいるのだ。強調されたポイントをノートに取ろう。話の主旨を理解できているかどうか確かめ、チャンスがあれば質問しよう。情報を受け取ることと、それを記録することに少なくとも同程度の注意を払えなければ、真剣に聞けたとは言えない。

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