2021年はどうやら「最悪の年」になりそうだ いよいよ「バブル崩壊」の可能性が高まってきた

印刷
A
A
1929年10月大暴落時のアメリカ・ウォール街。2021年は「最悪の年」になるのだろうか(写真:akg-images/アフロ)

「『アフター・コロナ』は意外に明るい時代になる」という、かんべえ氏(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏)の記事(1月9日配信)が大変好評らしい。だが、私はまったく正反対の見方をしている。2021年はどうやら「最悪の年」になるだろう。

「100年前のアメリカ」はバブルだった

なぜか。まず、かんべえ氏は大きな誤解をしているようだ。100年前のアメリカは、相対的にはきわめて恵まれた国であったのだ。第1に、世界の覇権は英国からアメリカに移ろうとしていた。アメリカは世界を制覇するという、大きなトレンドに乗っていた。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

第2に、スペイン風邪の流行でアメリカでは約30万人が死んだ。

だが、日本は約38万人でそれ以上に死者が出ており、世界ではWHO(世界保健機関)の統計では約4000万人、一説では1億人以上が死んだとも言われている。

要は、アメリカでは相対的にはスペイン風邪の影響はまだ低いほうだった。しかも、スペイン風邪の名に反して、もともとの原因はアメリカ兵が欧州の戦場で広めたとも言われており、欧州からすれば戦犯はアメリカである。

小幡績氏の『アフター バブル』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

第3に、第1次世界大戦の戦場はもちろん欧州であったため、アメリカは経済的に大きな恩恵を受けた。

さらに、大戦後もドイツに投資を行い、ドイツが経済を回復することで英仏に賠償金を支払うことが可能になった。英仏はその資金でアメリカや日本からの輸入を回復させた。

ひとことで言えば、アメリカは「1次大戦のおかげ」で、輸出、投資ともに大きな収益を上げたのである。これが1920年代のアメリカの大きなバブル、そして1929年のウォール街大暴落、そして1930年代の大恐慌につながるのである。

実際、そうなのだ。かんべえ氏も1920年代は「つかのまの晴れ間のような時期」と書いているとおり、明るい時代は一時的で、暗黒の前触れだったのである。

次ページ1920年代は「暗黒の前ぶれ」に過ぎなかった
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT