しかし、4月に、世の中の雰囲気に乗せられて自粛した人々、若い世代は、自粛やコロナというものに飽きてしまった。もはや危機だろうが、そうでなかろうが、もうそれらにはかかわわらない。「コロナ」という流行の「イベント」は消費しつくしてしまい、過去にバズったものには、もはや関心もなく、反応すらしないのである。
彼らにとっては、菅偉義首相が会食しようがしまいが、関係ない。「東京都が国のせいにばかりして、何も対応しない」とか「官邸がだめだ」とか、そういうことにはまったく関心がない。「政治家たちの会食や、首相の記者会見での言葉遣い」だって、そんなことは何の関係もなく、ミスでも罪でもないのである。
これは絶望的である。今までの日本的な手段、自粛、要請、脅しなどはまったく通用せず、手段がない、ということなのである。こうして、コロナに恐怖心を抱くグループは過剰な行動制限を行い、経済を悪化させ、別のグループはまったく無反応になり、社会的な感染拡大リスクをさらに高めていく。日本は、感染者数が少ないにもかかわらず、このままだと、欧米よりもアフター・コロナが訪れにくくなる危険性がある。
バブル崩壊の可能性が高まったワケ
第2に、さらに重要なことに、バブルがついに今年2021年、崩壊する可能性が高まっているからである。
私は、当初、バブル崩壊は日本発なら2023年、アメリカ発なら2022年と思っていた。それは、それぞれの国で中央銀行総裁が交代するからである。2023年は黒田東彦総裁が代われば、日本銀行のスタンスは変わらざるを得ない。あるいは、投資家たちが「そうなるのでは?」と疑心暗鬼になり、些細なことで、日本国債バブルを背景に、為替と株が暴落、財政破綻の恐れが高まる。私は、実際に、実質的な財政破綻が小さく起こると思っているが、こうしたリスクシナリオが現実味を帯びる。
またアメリカの中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)議長であるジェローム・パウエル氏が退任したらどうなるか。パウエル氏以上のハト派の議長、株式相場を重視する議長は考えにくいため、アメリカの株式バブルも崩壊するシナリオの可能性が高まる。そう考えていた。
しかし、それまでバブルは待ってくれない。もはやバブル崩壊が始まってしまった。2021年1月に。
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