誰の目にも明らかなのは、ビットコインの乱高下であろう。ビットコインはこの1年で4倍以上になり、1万ドルを割った水準から1月7日にはついに4万ドルを突破した。
しかし、4万1000ドルをつけた後、10日、11日の2日間で約26%の大暴落となり、12日には反発している。
英国金融当局が、「投資する場合は資金をすべて失うことを覚悟しなければならない」と警告する声明を発表したことも暴落のきっかけだったが、要は今が、バブルの頂点付近にいることをあらわしている。
もはやビットコインはビットコイントレーダーのセンチメントだけに支配されている。「感情だけに支配される相場」とは、バブルのピークと底以外にはなく、いつ暴落してもおかしくない。暴落してしまえば、1万ドルを割るどころか、乱高下を続け、最後にはほぼ無価値になるリスクもある、というのは、英国金融当局の言うとおりである。
ビットコインのように、バブルの最終局面では、異常に暴騰し、そして乱高下し、乱高下しながら暴落していくのである。
テスラ株は「バブル崩壊直前状態」の象徴
この景色に似ているものがある。そう、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラの株である。同社株は2020年に8倍以上になり、2021年1月8日には11日間続伸、同社CEOのイーロン・マスク氏を世界一の富豪に押し上げた。
しかし、その後は11日に約8%下落、その後急回復するなど、乱高下している。テスラ株に限らず、アメリカ株式市場、リスク資産市場、さらには欧州株式、日本株式だって、同様の動きである。株式は、すべて良い理由をつけて、上昇している。
これはバブル崩壊直前の「最後の暴騰」に見える。
なぜバブルの最後は暴騰するかというと、売り方、バブルが崩壊すると思っていた「正常な」心理だった投資家たちも、バブルの嵐に音を上げ、あきらめて売りポジションを解消し、買い戻す。だから、買い一色になるのである。
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