2021年はどうやら「最悪の年」になりそうだ いよいよ「バブル崩壊」の可能性が高まってきた

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ではその後は、誰が買うのか。普通は誰も買わない。しかし、売る人もいなくなった。長期投資家、いまや年金やETF(上場投資信託)が中心の機関投資家は、上がってもほとんど売らない。ここで買うのは、バブル狂乱にまみれている人だけである。だから、商いが少なくなり、そして急騰し、彼らの間でだけ取引されるから、彼らの感情で相場は揺れ動く。乱高下するのである。

しかし、感情の乱高下はきつい。だんだん彼らも精神が弱ってくる。そのようなときに何かのショックがあり、小さな暴落が起きると、精神だけでなく、財務的にも傷む投資家が出てくる。投げ売る。それを見て、怖くなってほかの投資家も売る。余裕があっても利食いに入り、売る。売る流れができる。ここぞとばかりに、これまでの負けを取り返すために、売り方が空売り、先物売りに殺到する。

これがバブルのピークから暴落へのメカニズムだ。すでにこれが始まっているように見える。

そして、感情に支配されにくい債券投資家は動き出している。

アメリカ国債10年物の利回りは一時急騰。1月8日には、すでに1%を突破していた利回りは、1.1%台までさらに急上昇した。

2021年に暴落するのは株価か、それとも・・・

アメリカのインフレ率は上がる気配はない。足元のインフレ率は低下しており、2020年12月の雇用統計も悪化した。それにもかかわらず、インフレ連動アメリカ国債の利回りも高まったのを見て、期待インフレ率が上がっている。したがって、実質金利は上がっていないと強弁し、株価の上昇を正当化する株式ストラテジストが多数いる。これこそ「終わりの兆候」だ。

私は、株価暴落は2022年または2023年と思っていた。下手をすると日本の財政破綻懸念台頭のほうが先ではないかと恐れていた。

しかし、違った。株価は今年暴落する。この予想が2021年末に外れたことが明らかになれば、私の記事の人気も暴落するだろう。つまり、今年は、株価か私か、どちらかは暴落するので、暗い2021年になるのである(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。日経新春杯の勝ち馬は?
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