推しの誕生日を花火で祝う「オタ活」の新潮流 大手新聞の全面広告8面をジャックした事例も

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JAMの別の30代会社員女性の、ある1日のファン活動=“推し事”はすさまじい。

6:20起床……ツイッター確認。前日見逃したテレビや動画、ウェブ記事、雑誌をチェック。

9:00~……在宅ワーク開始。別部屋ではiPadでYouTubeのMV再生。休憩中にツイッター確認、終業後に確認したい記事がたまっていく。

18:00~……家族がテレビを見ている間にツイッターやウェブ記事を確認。ゴールデンタイムのテレビに出る場合はチャンネル争奪戦。MVを子どもと一緒に見て踊りを練習。

22:00~……子どもを寝かしつけた後は、AbemaTVでJO1の番組を視聴。

1時間離れるだけで置いていかれる

「1時間くらい情報から離れるだけで置いていかれてしまうので、こまめにSNSをチェックします。ほかにもルーティンとして、出演番組のSNSやサイトに感想を送ったり、ラジオ番組にリクエストを送ったり。JO1の場合、『メンバーのここがすごくよかった!』とSNSで発信すると、運営サイドがそこを伸ばしてくれたりして、アーティストとファンがつながっているのを実感できるんです」

本誌が行ったアンケートでは、「ファン対象の情報をチェックする頻度は?」の質問に96.4%が「毎日欠かさず」と答え、「ファン対象についてSNSで発信は?」に対して「よくしている」「時々している」と答えた人の割合は88.6%だった。ファン活動においてSNSがいかに重要な役割を果たしているかがよくわかる。

前出のさやわかさんは言う。

「SNSは意見を交換し合える場というだけでなく、ファン行動をその場で実現するものにもなっています。例えば“ミーム”。いわゆるパロディー動画のことで、『Zero Budget』といって低予算のコスプレで好きなアーティストのMVを再現する動画が今ものすごく広がっている。“パブリックチャレンジ”もそう。世界の名所などで、好きなアーティストの曲でダンスをする。自己承認欲求という面もありますが、最終的には『ファン対象に有名になってもらいたい』という思いなんです」

(編集部・藤井直樹)

※AERA 2021年1月11日号より抜粋

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