南紀白浜空港が見違えるほど変わった決定要因 周回遅れからトップ走者に躍り出た「やる気」
地域の産業と暮らしを直撃
灯りの落とされた無人のチェックインカウンターに閑散とした待合ロビー。2020年の春、新型コロナウイルス感染拡大の衝撃を物語る映像の1つが、全国各地の静まり返った空港の様子だった。新年を迎え、再びあの光景が広がる可能性がある。
南国リゾートの玄関口・那覇空港を見れば、惨憺(さんたん)たる状況の一端が伝わるはずだ。2020年4〜11月の累計乗降客数は前年度に比べて約70%減少。2019年3月に開業した「際内連結ターミナルビル」内の新規テナントを中心に、2020年12月までに13店舗が相次いで撤退し、沖縄観光の顔となる土産品の品薄状態が続いている。
「アジアのゲートウェイ」をうたう沖縄経済の将来性を見込んで、新規出店に投資した県内外の事業者たちが早々と閉店を決めた。それぞれに、地域の製造加工・1次生産者たちの暮らしが紐づく。Go Toトラベルの停止に、緊急事態宣言などで、困窮する事業者、生活者への影響はこれからますます表面化してくるだろう。
地場産品の主要な出口の1つである「空港」には何ができるのか。旅行需要の低迷が続く中でも、収益計画の実行をにらみながら、見えない市場を掘り起こし、地域経済を奮い立たせるエンジンとして「安全第一」以上の期待を背負っている。
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