南紀白浜空港が見違えるほど変わった決定要因

周回遅れからトップ走者に躍り出た「やる気」

ホテルや温泉、観光施設の目の前に白良浜のビーチが広がる=2020年12月18日、南紀白浜マリオットホテルから(筆者撮影)
新型コロナウイルス感染者の急増に歯止めがかからない中、政府は1月7日、東京都と千葉、埼玉、神奈川の3県に2度目となる「緊急事態宣言」を発令した。同13日には大阪、京都、兵庫の関西3府県と愛知、岐阜、福岡、栃木各県にも緊急事態宣言が出された。国の発令を待たずに独自に緊急事態宣言を出す自治体も現れている。全国各地で移動自粛が広がり、航空、旅行業界は一層先の見えない苦難の経営を強いられることになる。
今、その切実な危機感の真っただ中にいるのが、民営化した空港各社の経営者たち。渡航回復後を見据え、打つ手はあるのか。南紀白浜(和歌山県)、新千歳(北海道)、中部国際(愛知県)の各空港会社のトップへのインタビューから、期待される「経営感覚」を探った。「アジアのゲートウェイ」として、「世界水準の拠点空港化」を目指す那覇空港の展望を交えて、全3回の短期集中連載をお届けする。

地域の産業と暮らしを直撃

灯りの落とされた無人のチェックインカウンターに閑散とした待合ロビー。2020年の春、新型コロナウイルス感染拡大の衝撃を物語る映像の1つが、全国各地の静まり返った空港の様子だった。新年を迎え、再びあの光景が広がる可能性がある。

南国リゾートの玄関口・那覇空港を見れば、惨憺(さんたん)たる状況の一端が伝わるはずだ。2020年4〜11月の累計乗降客数は前年度に比べて約70%減少。2019年3月に開業した「際内連結ターミナルビル」内の新規テナントを中心に、2020年12月までに13店舗が相次いで撤退し、沖縄観光の顔となる土産品の品薄状態が続いている。

那覇空港の国際線と国内線を結ぶ「際内連結ターミナル」。渡航減少の影響を受けて閉店した土産店のシャッターが目立つ(筆者撮影、12月1日)

「アジアのゲートウェイ」をうたう沖縄経済の将来性を見込んで、新規出店に投資した県内外の事業者たちが早々と閉店を決めた。それぞれに、地域の製造加工・1次生産者たちの暮らしが紐づく。Go Toトラベルの停止に、緊急事態宣言などで、困窮する事業者、生活者への影響はこれからますます表面化してくるだろう。

地場産品の主要な出口の1つである「空港」には何ができるのか。旅行需要の低迷が続く中でも、収益計画の実行をにらみながら、見えない市場を掘り起こし、地域経済を奮い立たせるエンジンとして「安全第一」以上の期待を背負っている。

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