「麻雀小説家も神と祀られる」神社の意外な実態 新しい神が生まれる可能性はつねにある

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千本鳥居が有名な伏見稲荷大社の稲荷山に麻雀小説家が祀られている(写真:神崎拓也/PIXTA)
「神社について知ることは日本を知ること」と説く宗教学者の島田裕巳氏。前回(実は善人とは限らない「日本の神様」驚きの正体)は、日本で最も有名な本居宣長による神の定義を解説した。今回は神の居場所である「神社」とはどういうものか、島田氏の新著『教養として学んでおきたい神社』を一部抜粋・再構成してお届けする。

「祭神」は3つに分類できる

神社を理解するには、まず神を理解しなければならない。言うまでもないことだが、神を祀っていない神社というものは存在しない。神社で祀られた神は「祭神(さいじん)」と呼ばれる。

祭神となる神々は、主に3つに分類することができる。

第1のグループは、古事記や日本書紀に記述のある神話に登場する神々である。天照大神(あまてらすおおかみ)や大国主神(おおくにぬしのかみ)、宇迦之御魂神(うかのみたまのおおかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)や櫛稲田姫命(くし(い)なだひめのみこと)といった神々がこれに該当する。

第2のグループは神話に登場しない神々である。九州の宇佐神宮の祭神である八幡神、京都の伏見稲荷大社の祭神である稲荷神は、神話以降に生まれた神の代表だ。

第3のグループは、もともとは人であったものが、神として祀られた場合である。例えば、東京の明治神宮は、祭神として明治天皇と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)を祀っている。

神話を事実として文字通りに信じ、天皇は皇祖神である天照大神の末裔で神であると考えれば、人が神に祀られたものとは言えないが、明治天皇はあくまで人間である。明治神宮は、明治天皇が亡くなってから、その業績を顕彰するために創建されたものである。

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