年収1000万円を捨てた元局アナの意外な転身先 収入激減でも未知の世界に飛び込んだ理由

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それはともかく、起業の準備を進めていたらなんだかんだとお金がかかり、わずかな蓄えも消えてなくなりました。おまけに当面はほぼ無収入になることが確定している。でも悲観的な気持ちはありませんでした。

今の時代、会社から1000万円の給料をもらっていても、この先もずっとそれが続くとは限りません。会社がなくなるかもしれないし、自分のスキルが通用しなくなり、放り出されることだってあり得ます。

だったら目先の収入にこだわらず、今しかできないことにチャレンジするほうが、結局は得になるのではないでしょうか。一時的に収入が激減しても、数年後に数千万円、1億円の収入が得られるかもしれないと考えれば、今の収入に縛られてやりたいことを諦めるほうが損だと思ったのです。

だから、やりたいことがあるなら絶対にチャレンジしたほうがいい。少なくとも若いうちは、そのほうが後悔は少ないと思います。

スピードこそ最大の武器

転職にしろ、起業にしろ、自分にマッチする仕事(会社)が見つかったら、一秒でも早く現在の仕事を辞めることをおすすめします。

「とりあえず区切りのいいところまで」といった感覚で、だらだらと在籍期間を引っ張っても、ほとんどメリットはありません。それよりも新しい仕事に向けて、少しでも早く動き始めるほうが有意義です。

「新規プロジェクトの立ち上げメンバーとして来てほしい」と言われるような場合はなおさらです。もし同じくらいの能力の人が二人いたとして、どちらを採用するか迷ったら、「少し待ってください」という人より、「すぐ働けます。なんなら明日からでも」という人のほうが断然有利に決まっています。

タイミングの差で誰かにポジションを奪われる可能性があることを考えると、こと転職に関しては、「早く辞められる」というそれ自体がバリューになるケースは少なくありません。

退社時期は、僕もかなり悩みました。でも、日本のeスポーツ界の動きががぜん慌ただしくなっている中で、一日も早く動き出さなければ後れを取る、という焦りがあった。ここで退社を延ばしたら、せっかく起業してもうまくいかない可能性があります。

「eスポーツの世界に参入するなら、1日でも早く動いたほうがうまくいくと思うんです」と2018年3月の下旬に丁寧に説明を重ねたところ、最終的には上司も納得。晴れて6月15日付けでの退社が決まりました。

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