犬を飼う人ほど「不幸を遠ざける」科学的根拠 猫好きも驚き!ワンダフルなメリットの数々

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実際に動物が、とりわけ犬が、人間に与える好影響を示す検証は数多くあります。カロリンスカ研究所のピーターソンらは、10人の被験者に自分の飼い犬と60分間接してもらい、その前後、また途中で、被験者の血液からセロトニンやコルチゾールの反応を調査しました。

その結果、最初にオキシトシンが少なかった被験者ほど、犬に頻繁に触りたがり、触ったあとに大きな反応がありました。ただ、残念なことに、触られる頻度が高いほど犬のほうのコルチゾール値が高くなる傾向がありました。つまり、人間は癒やされる一方で、ストレスが上がってしまう犬もいるということです。

『図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

アメリカでは、動物と触れ合うことを「アニマル・アシステッド・アクティビティーズ(AAA)」「ペットセラピー」などと呼び、積極的にとり入れる医療現場も増えています。

ドイツでも、90パーセント以上の医療従事者が、動物がもたらす効果を認めているという調査結果もあるほどです。なかでも、大きなセラピー効果をもたらす動物が犬と言われています。

麻布大学の菊水健史らの研究では、犬はオキシトシンの分泌を活発化させるだけでなく、犬の健康のために朝と夕方の散歩が欠かせないことから、屋外に出て日光を浴び、セロトニンの分泌量が増えるという利点も挙げています。

犬を飼うことで、飼い主自身も規則正しい生活が身につき、セロトニンが出やすい環境がつくられていく点も長所と言えそうです。

電話番号を教えてもらえる確率も向上

最後に、ブルターニュ大学のゲーガンとシコッティーの興味深い研究を紹介しましょう。異性に対して、犬を連れて歩いて声をかけたケースと、1人で声をかけたケースを比較したところ、前者のほうが、異性が自分の電話番号を教えてくれる成功率が高かったそうです。

なんと犬を連れているケースは、3倍の確率で電話番号を教えてもらえたのです。犬を連れていることで、“ ワン” ダフルな人と思われて、警戒心も薄れたのかもしれません。

人付き合いは苦手だけど、動物は好きという方も多いはず。動物は、人間にとてもポジティブな反応をもたらしてくれる大きな存在。ストレスがたまっている人は、動物と交流をはかるようにしてくださいね。

堀田 秀吾 明治大学教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事