コロナ克服がなければ、財政政策による総需要刺激策はほぼ機能しない。ただ、仮に2021年半ばにコロナという経済のボトルネックが解消されても、先の第3次補正予算で策定されたプランは特定産業にのみ恩恵が行き渡る歳出が多く、このままでは財政政策がGDP成長率を押し上げるインパクトはほとんど現れないと見込む。
そして、2021年の両国経済がどの程度回復するかは、ワクチン接種がどの程度進み、コロナで大打撃をうけたサービス消費が戻るかどうかに大きく依存する。
アメリカ経済は4月以降再加速する
すでに米欧で接種が始まっているワクチンの効果に関しては、専門家ではない筆者に語るべき知見はない。ただ、長年の技術革新の成果によって新型のワクチン開発が実現したが、これによって2021年にコロナとの共存が可能になり、そして経済正常化が実現するのではないか。
そうなると、各国でワクチン普及がどの程度のスピードで進むかが重要になる。財政政策の後押しもありワクチン開発の先頭に立つアメリカでは、2021年半ばにほとんどの国民までワクチン供給が行き渡ると試算される。ワクチンが効いて幅広く普及するため、サービス消費主導でアメリカ経済は4~6月から再加速すると筆者は予想している。
一方、日本でのワクチン普及は、ワクチンの必要性が高くないこともありアメリカほどスムーズに進まないと見られる。そして、コロナに対応するために医療体制が経済成長の制約になる状況が続くことも、経済の回復を抑制するだろう。
広範囲に総需要や所得を高める財政政策が追加で実現しなければ、アメリカで想定されるような年央からの経済の再加速は期待できない。
以上を踏まえると、2021年も経済成長率、そして株式市場のパフォーマンスを比べたとき、日本はアメリカを下回るだろう。2021年に日本株の上昇が続くか否かは、アメリカ株とワクチン頼みとなる。
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