そして、5回のお見合いを終えて、香代はこんな感想を漏らした。
「以前は、子どものタイムリミットがいつも頭にあったので、うまくいかないと失望したり、ストレスがたまったりしていたのですが、それがない今回は、精神的にとても楽です。あのマスクを外さずコーヒーを飲んだ人も、昔だったらイラッときたかもしれないけれど、今回は笑い飛ばせましたしね」
その後も、振ったり振られたりのお見合いを続けていたのだが、9月にお見合いをした利正(仮名、51歳)と仮交際に入り、2カ月の付き合いを経て、真剣交際に入り11月22日のいい夫婦の日にプロポーズをされた。
熟年結婚はますます盛んになるだろう
成婚退会のあいさつに来た香代が言った。
「彼は、ケチではないし、人のためにお金が使える人でした。物を買い込むタイプでもなかった。ただ一緒に生活してみないと、わからないことがたくさんある気がするんです。
相談所は、これで退会させていただきますけど、今回は焦って入籍をせずに、『1年くらいは婚約期間にしよう』と彼と話をしているんです。一緒に暮らしてみて、お互いに嫌なところは直していくし、2人で過ごす時間も大事にしながら、自分の時間や趣味の領域は侵さないように暮らしていければと思っています」
これぞ、大人が選択する結婚ではないか。熟年離婚も増えているが、今後は熟年結婚もますます盛んになっていくだろう。
平均寿命は年々延び、人生100年時代と言われている今日だ。自然災害に見舞われたり、コロナのような新型ウイルスが蔓延したり、予期せぬことがいつ起こるかわからない。そんなときに、1人より2人。人生を共に歩むパートナーが隣にいたら、心強いのではないだろうか。
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