40代50代の婚活がなかなかうまくいかないワケ 「子どもが欲しい」という気持ちが邪魔をする

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入会してきたのは、一部で緊急事態宣言が開けた5月の半ばだった。3月に入ってテレワークが増え、世の中の動きが止まった緊急事態宣言期間中に部屋で1人で過ごし、猛烈に寂しさを感じたという。香代は、再婚希望者だった。

「40代前半のときに、結婚相談所で知り合った年上の雅也(仮名)とお見合いですぐ結婚を決めたんです。2人とも子どもが欲しかったので、相談所を成婚退会後、すぐに入籍をしました」

ところが、一緒に暮らし始めてみると、あまりにも生活していく価値観が違っていた。

「元夫は2年前に、持ち家を購入していました。お付き合いをしているときに、2度ほど遊びに行ったことがあったのですが、どの部屋も物であふれ返っていました。

家具とか電化製品は最低限度のものしかないのに、部屋には雑誌や趣味の雑貨が驚くほどたくさんあって、キッチンには、買いだめしたラップ、アルミホイル、食器用洗剤、ティッシュがまるで倉庫のように積まれていました」

それだけではなかった。クローゼットに入りきらなかった服が部屋の壁にも掛けられ、階段の手すりにもスーツやコートがぶら下がっていた。また通販品が送られてくる段ボール箱も捨てずにとってあった。

「『どうしてこんなに物がたくさんがあるの?』と聞いたら、『買った物には、1つひとつに思い出があるからね』と言うんです。『通販の段ボールには思い出はないでしょう?』と言うと、『いつか使うかもしれないじゃない』と。

さらに、驚くほどたくさんあるラップや洗剤は、『どうせ使うものだから、安売りしているときに買っておくんだ』と平然とした顔で言うんです。ただこのときは、“男の一人暮らしだし、家は散らかっていても仕方がない。私が結婚後に片付ければいいや”くらいに思っていたんです」

香代は、整理整頓が得意なほうだったので、「私の手にかかれば、この家も見違えるくらいきれいになるだろう」と高をくくっていた。

何よりも、1日も早く結婚生活をスタートさせたかった。子どもを産むタイムリミットを知らせる時計が、頭の中でカチカチと鳴り響いていたからだ。

結婚して1年弱で離婚

「私はもともと荷物が少ないほうだし、あんなに物のあふれた家に行くのだから、必要最低限の物だけを持って、引っ越しました」

そして、“これぞ腕の見せ所”とばかりに、部屋の片付けを始めた。

「2人が休みの日に一緒に片付けをしたんですが、彼の古い洋服を捨てようとしたら、語気を荒らげて怒られました。『初めてもらったバイト代で買ったものなんだ。勝手に捨てるなよ!』と。結局部屋にある物は、ほとんど捨てられず、1部屋を物置部屋にして、そこに物を移動させるだけで終わりました」

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