結婚当初は、“不妊治療をしてでもいいから、絶対に子どもが欲しい”と思っていたのが、“子どもは欲しいが、雅也の子どもは欲しくない”と思うようになり、離婚することを決めた。離婚を切り出し、ゴネられたらどうしようかと心配していたが、雅也も香代との生活にストレスを感じていたのだろう。すんなりと離婚に応じた。
結婚生活はわずか1年弱だった。
入籍前に一緒に暮らすのも1つの方法
そこから、出会いもないままに年月が経ち、香代はもう子どもは授からないであろう年齢になっていた。私のところで婚活を始めるときに、こんなことを言っていた。
「焦ると人を見る目が曇ると思うんです。だから、今回は、“いいな”と思う人が現れたら、しっかりと人間性を見極めたいと思っています」
近年、40代、50代の登録は増えているので、お見合いはスムーズに組めた。まずは、最初の1カ月で5人ほどお見合いをしたが、“交際をしたい”と思う人は、なかなか現れなかった。
「相変わらず、婚活市場でお相手を選ぶのって厳しいですね。この間の方は、話をしている間、視線がチラチラと動いて、私のことをまったく見ませんでした。今日の方は、コロナに異常なほど神経質で、お見合い中もマスクを外さなかった。マスクを取ると顔の印象がガラリと変わることがあるじゃないですか。
コーヒーを頼まれたので、飲むときにマスクを外した顔が見られるかなと思っていたら、マスクを手でつまんで浮かせて、コーヒーをズズズーッと飲んでいました。思わず吹き出しそうになりましたが、必死で笑いをこらえましたよ。結局マスクを取った顔を一度も見ることはできませんでした」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら