「話が伝わらない人」「うまい人」決定的差は1つ 「100万人よりも1人の顔」の法則、知ってますか
会話の内容について、「話す対象」や「中身の範囲」を一段階狭め、絞り込んでみましょう。すると以下のようになります。
◯ 「A社は、あの誰でも知っている有名なお菓子〇〇を製造している」
✕ 「社員の皆さん、〇〇をしてください」
◯ 「〇〇事業部の皆さん、△△をしてください」
「××事業部の皆さんは、□□を目指してください」
✕ 「トレーニングする」
◯ 「くびれをつくる、美尻エクササイズ、上腕二頭筋を鍛え上げる」
✕ 「彼は家庭的な人」
◯ 「彼は、毎日朝5時半に起き、家族4人分のお弁当をつくる。
必ず20品目は入れるよう、栄養バランスにも気を遣い、弁当袋も手づくり」
このように、「商品全部」ではなく「一押しの一品」「会社全体」ではなく「部や社員」など絞り込むのです。例えば、こんなふうに絞り込んでみます。
「会社全体」 →「部や社員」
「体全体」 →「パーツ」
「その人全体」→「その性格を表す象徴的な1シーンやエピソード」
「商品全部」 →「一押しの一品」
「どこかで」 →「特定の場所」
「いつか」 →「ある特定の時期、日、時間」
「時間」「場所」「人」「モノ」……何でも絞り込むほど、映像が浮かびやすく、説得力が増すものなのです。
アマゾンのベゾスも、この「絞り込み話法」を多用
アマゾンのベゾスCEOも、この「絞り込み話法」を多用します。
プリンストン大学の卒業式で、彼は、子どものころのある日の思い出を長々と語りました。喫煙する祖母に、その害を指摘したところ、彼女が泣きだし、祖父に、「賢くなるよりもやさしくなるほうがはるかに難しい」と諭されたという思い出です。
人生のたった一場面だけを切り取り、まるで映写機のように、聞き手の脳に映し出す。「ポジティブにアピールをしたい」「もっと伝わりやすくしたい」というときには、「シーンが見える」話し方はとても効果的です。
欲張れば欲張るほど伝わらなくなり、絞り込めば絞り込むほど伝わりやすくなる。「伝える範囲を100分の1」にすることで、「伝わり方が100倍」に広がるということです。
伝え方を磨けば、仕事も日常生活もプラスに変わります。ぜひ皆さんも「『100万人よりも1人の顔』の法則」を身に付け、「伝わる話の達人」「伝え方の達人」になってくださいね。