「子犬のかみつき」に悩む人が知るべき6の方法 飼い主のエゴを押し付けずに「欲求」を解消する

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子犬の欲求不満を解消するにはどんな方法が有効なのか(写真:Anastasia Gapeeva / iStock)
飼い主を悩ませる子犬の「かみ癖」にはどう対処するのがいいのでしょうか。獣医師の奥田順之氏の『“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾』より一部抜粋・編集してお届けします。

犬がかむ理由を理解する

かみつきに悩んでいる飼い主さんは、子犬のかみつきをやめさせたいと考えていると思いますが、残念ながら子犬にかむことをやめさせることはできません。

子犬はそもそもかむ生き物です。子犬の時期に何かをかむ行動は生きていくうえで必要な発達のひとつです。

さらに飼い主の関心を引いたり、遊びたくてかんでいるわけですから、これを否定することは、極端にいえば「犬に遊びは必要なく、ぬいぐるみのようにサークルのなかで座っていれば良い」という飼い主のエゴを押し付けることになってしまいます。

犬は生き物ですから、遊びたいし、群れのメンバーの関心を引きたい。その欲求を否定することは、犬を飼うこととは相容れません。

大切なことは、かむことをやめさせるのではなく、犬のかむ理由を理解することです。そして、遊び欲求からのかみつきに対しては、まずは欲求を満たすことが必要です。この時、解消すべき欲求は、遊び欲求だけではありません。探索の欲求や社会行動の欲求など、あらゆる欲求の解消を含みます。

欲求を満たしたうえで、かんでもいいものをかませること、かんではいけないものはかませないように予防すること、そして最後に、それでもかんでくる時には犬がかんだ後に飼い主が適切なリアクションをすることが必要となります。以下、具体的な対策について解説していきます。

留守番が長く、サークルに入っている時間が長ければ長いほど欲求不満になります。「日中は留守がちで、サークルから出すのは、1日30分程度」という話もよく聞きます。しかし、犬にとって1日30分の発散で十分なわけがなく、犬としてはサークルから出られたその時に、できるだけ発散すべく興奮して遊ぼうとします。

けれど「かんだらすぐサークルに戻します。サークルから出るとすぐにかむから、1回5分位しか出せない」といわれる飼い主さんも少なくありません。これでは、さらに発散できる時間が少なくなり、悪循環に陥ります。

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