「O2Oのアマゾン」狙う、チケット販売の新人 「スマホ時代のぴあ」になれるか

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イベントチケットの3つの課題

tixeeは主に500人以上が来場するイベントで利用する価値があるという。松田氏が考える3つのイノベーションに照らし合わせて、tixeeのイノベーティブな点を説明しよう。

「イノベーションには3つの種類があると思っています。ひとつ目は早くなること。新幹線からリニアモーターのようなイメージです。2つ目はあったものを小さくすること。3つ目はあったものを失くすことです。tixeeは3つ目のイノベーションに相当します。入場の際に必要なチケットを読み込むリーダーを失くし、スマホをワンクリックするだけで入場することを可能にしたのです」

tixeeが導入される前のイベントチケットには3つの課題があった。

①チケットを読み取る専用のリーダーが必要
②リーダーを置いた専用の列が必要
③専用の列を管理する人間が必要

 

イベント主催者は①のリーダーがなくなることで、3つの課題がなくなり、オペレーションの効率化が可能になる。実際の入場の様子は下記の動画から確認できる。


 イベントチケット業界では、紙のチケットを発券してチケット会社に支払われる手数料はチケット代金の12~13%と言われている。tixeeは紙のチケットと比較して約半分の手数料率を設定し、電子もぎりによるオペレーションの効率化も図れることから、導入イベント数が増えている。有名どころでいえば、Mr.Childrenの2013年全国ツアーではtixeeを導入している。

「Mr.Childrenの全国ツアーでは約35万人のファンクラブ内でtixeeを通したチケット販売を行いました。ライブ動員数は55万人だったのですが、そのうちの10%がtixeeを通したチケット購入と電子もぎりによる入場になりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

音楽業界ではCDの売り上げが下がっているが、逆にライブなどのイベント興収は上がってきている。そんな中で、tixeeのような新しいテクノロジーに取り組もうという気運が高まっている。

現状のtixeeの主な競合はイープラスやチケットぴあなどのウェブやコンビニ決済のプレーヤーになる。tixeeはスマホでクレジットカードでの決済が可能だ。国内イベント市場は約1.3兆円。紙の販売手数料を10%程度と想定した場合、チケット手数料市場は1000億円程度の市場になる。ひとまずはこのイベントチケット手数料市場のシェアを高めていくことが課題になる。法人主催のイベントの場合は、毎年のように同じイベントを開催することが多く、リピートされやすいため、長いライフタイムを見込みやすい。

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