「O2Oのアマゾン」狙う、チケット販売の新人 「スマホ時代のぴあ」になれるか

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 スタートアップという言葉が日本でも定着し始めてきた。スタートアップのサービスは目新しいサービスに見えても、そのビジネスモデルは何種類かに分類することができる。そのサービスの事業領域の伸びがどれくらい見込めるかという点と合わせて、そのビジネスモデルを本連載で紹介していく。
 チケット・スタートアップ特集第2弾は、ライブなどエンタメ領域のイベントでの電子もぎりチケット「tixee」を展開するLive Stylesの松田晋之介社長に話を聞いた。

CCC仕込みのデータベースマーケティング

松田氏は海外の大学を卒業後、新卒でCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に入社。社長室で創業者である増田宗昭氏の構想を資料に落とし込むなど、増田氏の脳内を「可視化」する業務に従事していたという。代官山蔦屋プロジェクトを担当し、増田宗昭氏の側近で働くことで、世界的にも希有なCCCのデータベースマーケティングの知見を吸収した。

「増田がよく言っていたのが『TSUTAYAのアライアンス先をどうやって儲けさせるか』でした。アライアンス先への送客が売り上げを伸ばす。売り上げは客数、単価、頻度で構成されますが、データベースマーケティングで貢献できる点は主に客数を上げることです」

松田氏は増田氏を超える事業家になりたいと思い、起業。データベースマーケティングを軸に事業構想を始める。そこで着目したのがチケットだった。

「オンラインではGoogleやAmazonのような覇者が、オフラインではCCCのような巨人がすでに存在します。しかし、そこをつなぐオンライン・トゥー・オフライン(O2O)はまだ突出した存在がいない。この分野であればまだ勝負できると感じたのです。オンラインからオフラインへのパスポートとなるようなものがチケット。チケットを認証できるツールを用い、データをためて効果検証できれば、今までにない形のデータベースマーケティングが可能になると考えました。O2O市場の世界一を本気で目指しています」

ちなみに松田氏は海外の大学に在学中、4000人規模のクラブイベントを主催している。LiveStyles社は渋谷区円山町というクラブが多そうなエリアにあり、クラブイベントがもともと好きなのだろうと筆者は感じた。

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