フランス人が決して「手料理」にこだわらない訳 貴族に嫁いだ女性が見た義母のエレガンス

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フランス人が凝った手料理にこだわらない理由とは(写真:Leonardo Patrizi/iStock)
今年は世界中の誰もが、新型コロナウイルスによる外出制限などによるストレスを少なからず受けたのではないでしょうか。とりわけ2度のロックダウン(外出禁止)に見舞われたフランスでは、楽観主義のフランス人にも厳しいものでした。ただ、こうした中でも「人生を楽しむ」ことを忘れないのがフランス人でもあります。
ひょんなことから18世紀から続く伯爵家に嫁ぎ、今は文筆家としても活躍しているドメストル美紀氏は、フランス人の義母からコロナ禍でも人生をエレガントに楽しむ極意を学んだと言います。今回は同氏著『どんな日もエレガンス』をもとに、そんな義母のエピソードを紹介します。

ロックダウン中も「人間らしく」生きる

今年、フランスは2度にわたるロックダウン(外出制限)を経験しました。あわせると約100日間に及んだロックダウン。感染者の数は依然として多く、不屈の精神を持つフランス人も、コロナとの長期戦に疲労の色を見せています。SNSを見れば悲惨な話や陰謀説が溢れ、ニュースは経済不安や暴動に関する報道ばかり。

そんな中でも、私の周りのマダムたちは、いつもと変わらぬエレガントぶり。どうしてそうしていられるのかを考え詰めていくと、そこには彼女たちの、「人間らしく生きたい」という思いがベースにあることを感じます。「人間らしく生きるなんて、当たり前のこと」と思われるかもしれません。でも、時に忘れていませんか?

春先のロックダウンのときは、息子たちを2週間ほど義理の両親の別荘にて預かってもらっていました。都会の狭い家で、学校もなく、缶詰め状態となることを気の毒に思った義母が、孫たちを田舎の別荘に呼び寄せたのです。子どもだけでも5名、親戚たちも「疎開」してきたのでさらに2名。ロックダウン中は、使用人も働くことができず、計9名の大所帯を義母が主となって賄っていたのです。

「大丈夫ですか、食事の準備だけでも大変なのでは」と義母に聞くと、なんと、「料理はほとんどしていないのよ」と笑うではありませんか。

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